MUJ評議員に聞く!人生をより美しく生きるためには

写真は、余語まりあ氏。HPより

アゴラでは、「出版道場」という出版ニーズに応えるための実践講座を年2回開催している。その影響もあり、著者や出版社から献本されることが多い。今回は、『あなたはもっときれいになれる』(あさ出版)を紹介したい。いまは、個人のブランドを高め、見せていくかが重要な時代。考え方によっては「出版」もブランドの一つといえる。

著者は、余語まりあ(以下、余語氏)。ミス・ユニバース・ジャパン(MUJ)の評議員もつとめている。本書は外見・内面を美しくみせるための方法をまとめている。なかには「ミス·ユニバースを例に出されても」と反発する人がいるかも知れないが、女性はいくつになっても美しくありたいと思うもの。まずは記事を読んでいただきたい。

人生はバームクーヘンみたいなもの

――まず、ミス·ユニバースの評価ポイントについて聞いた。見た目だけで選んでいるようにも感じるが実際はどうなのだろうか。

「ミス·ユニバースは『見た目』ばかりを、評価の対象にしているわけではありません。時代を象徴するような『自立した女性像』を求める大会なので、その場で質問されたことに対して、的確に答えるなどの能力も求められます。外見と内面はつながっており、スピーチの内容は自信は美しさにつながっているものです。」(余語氏)

「真の美しさは内面から生まれてくる。この考えが根底にはあります。そのうえで、知性、感性、人間性などの内面性なども含めて、トータルでの美しさを求めています。年齢を重ねるごとに、目に見える形、見えない形でにじみでてくるものです。」(同)

――しかし、それができないのが人間というもの。あれもこれもと考えていたらきりがない。ではなにをすべきなのか?

「毎年、歳を重ねるたびに思うことは、結局のところ、『もっと良くなりたい』という願いを永遠に突きつめながら、人は生きていくのかもしれないということです。その悩みが解決することは、死ぬそのときまでないような気がするのです。そうでなければ、健康食品があれほど売れることはないでしょう。」(余語氏)

「テレビでは、サプリメントや、健康茶などが、数限りなく広告を出しています。健康面にかぎらず、『年齢より10歳若く見られます』といった美にまつわる商品もたくさん出ていますよね。それを、『歳に抗っている』という見方もできるでしょう。」(同)

――女性の美に対する欲求は貪欲だ。男性はそこまで追求することはないが、諦めてしまったらそこから可能性が広がらなくなるということなのだろう。

「いつまでも、より美しく生きたいのなら、そのための努力を私はやめられません。人生は、バームクーヘンのようなものかもしれません。長い棒に生地をぬっては焼き、ぬっては焼きをして、バームクーヘンは少しずつ厚みを増していきます。この層がたくさんあるほど、美味しく感じられるものです。」(余語氏)

「私たちもそうやって、いろいろな意味で自分を磨く努力を重ね続けて、少しずつ厚みを増していくことを、生きている限りやめられないのだと思います。」(同)

心や気持ちのあり方について

――余語氏は、心や気持ちのあり方も重要だと主張する。特に気持ちが落ち込んだ時のすごし方は大切であるとのことだ。

「私は、ある失敗から落ち込んだことがありました。心の持っていき場所がなくなり、ひどく落ち込むクセがついてしまったのです。そうして何度も何度も落ち込むうちに、気づいたのです。『落ち込んでも、誰も救ってくれないな』と。それは、諦めにも似た気持ちでしたが、自暴自棄になったわけではありません。」(余語氏)

「そこから目の前のことを工夫することで改善すること。仕事で起こった問題も、やり方や発想を変えることで、解決できることがわかりました。成果は必ず、形になって評価されるものです。自分の工夫で変えられると思うようになりました。」(同)

――拙著『007に学ぶ仕事術』で触れているが、007が封切られるとボンドに憧れる中年男性が増殖する。ボンドになりきり悦に浸るのである。ターンブル&アッサーのシャツに袖を通し、スーツはダグラス・ヘイワード、一流ディナーに舌鼓をしカクテルはマティーニだ。どんなに飲んでも型をくずすことはない。

当人は、ボンドのように背も高くないし、髪も少々薄くなりぽっこりお腹かも知れない。それでも、他人からどう見られても構わないという人は、このようなオシャレはしない。美意識は男性にも通じるものがあるのだと実感する。私は、心理学のアセスメントが専門でもあることから、最後に側面から見たコメントを記してまとめとしたい。

「他人からどう思われているか」「他人にこう思われたい」という欲求。心理学では、私的自己意識、社会的自己意識という素養になる。社会に関心がなく、他人からどう思われても構わない人はこの素養が低い。当然、人とは友好な関係を構築できない。自らの社会性を高める意味でも、美意識を追求することは人生において効果的といえるだろう。

参考書籍
あなたはもっときれいになれる』(あさ出版)

尾藤克之
コラムニスト

<第3回>アゴラ出版道場開催のお知らせ
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