今ではすっかり定着した「ハッピーマンデー」。
実はそれほど古いものではありません。「国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律」(1998年)と、「国民の祝日に関する法律及び老人福祉法の一部を改正する法律」(2001年)によって実現したもので、せいぜい20年弱の実績しかありません。
週休二日制が普及しだして3連休をたくさん作り、建前上は「国民に余暇を楽しんでもらおう」本音は「観光地の振興」という趣旨だったと記憶しています。
あくまで私の主観ですが、3連休はどこに出かけても混雑しているし、3連休明けの火曜日(正確には月曜日の夕方以降)は本当に憂鬱でした。明日仕事をすれば、明後日また休日だという方がよほど嬉しかったです。
もっとも、当時は有給休暇が(職場の雰囲気等で)容易に取得できなかったので、貴重な連休をつくるというプラスの役割も担っていのかもしれません。
しかし、このハッピーマンデーが有給休暇の取得率を下げているのではないかと、私は密かに思っています。
飛び石連休があった時代、普段は病気でもしないと有給休暇が取れない雰囲気の職場にいた私たちは、交代で中日(なかび)に有給休暇を取得し、実質4連休等を取得していました。
飛び石連休の中日(なかび)は、取引先の個人や企業も「休みモード」に入っていたから休暇を取得しやすかったという事情もあります。
昨今、政府は「働き方改革」を提唱して長時間労働を是正しようとしています。そうであれば、職場の雰囲気が原因で有給休暇を取得できない状況も改善すべきでしょう。
「有給休暇取得推進法」(仮名)でもつくって、飛び石連休の中日(なかび)は積極的に有給休暇を取得するよう呼びかけでみてはいかがでしょう。観光産業にメリットがあることは言うまでもありません。
従来なら混雑を避けて出てこなかった人たちが出てくるようになるし、閑古鳥が鳴いていた飛び石連休の中日(なかび)にもたくさんの人が観光に訪れますから。
また、メンタルヘルスという点でもメリットが大きいと考えます。
小中学生の9月1日のように、大人でも連休明けは自殺者が多いという印象を私は持っています。
正確なデータはわかりませんし、仮に自殺であっても事故として処理されるケースが多いのでデータは当てになりません。「サザエさん」の歌が流れている時、「明日仕事に行けば次の日はまた休みだ」と思えるだけでホッとする人が多いのではないでしょうか?
東京オリンピックが開催されたのは10月10日で、「体育の日」という祝日でした。
10月10日に「ああ、高度経済成長時代の幕開けの東京五輪が開催された日だ」としみじみ思いを馳せるのも、案外大事なことだとおもうのですが…。
編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年10月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。