だれに投票するか悩んでいる人に

山田 肇

東京オリンピック・パラリンピックは2020年に開催されるから、その前の政治的混乱は避けたいと誰もが考えるだろう。だから、今回の選挙の後3年以上解散はない。今行われている衆議院議員選挙は、3年間の国のかじ取りを誰に任せるかを決める重要な選挙である。

国民は議員を選挙できるが当選後は議員に委ねるしかない。与野党が協議して法案が修正される場合もあるが、基本的には与党の考えが政治を支配する。その段階に至って国会の外に集まり大声をあげても効果がないことは「シールズ」も勉強した。

これほど重要な衆議院選挙に積極的に棄権しようと呼びかけている人がいる。東浩紀氏だ。彼は「こんな選挙などくだらない、そもそもこんな選挙をするのがまちがっている、すべてごめんだ、という権利が国民にはあるのではないでしょうか。」と主張する。特設サイトで署名を募り衆議院議員に届けるという。東氏には賛同者のメールアドレスを収集できるというメリットがあるが、賛同者名簿を受け取っても議員には役立たない。議員には国民の負託にこたえる義務があり、それは投票によって示されているからだ。

それでも投票したい候補者がいないという人はどうしたらよいだろうか。消極的だがよい方法がある。

まずは「もっとも投票したくない人」を選んでリストから外そう。安倍一強は許さないでも、この候補は犯罪歴があるでも、理由は何でもよい。残ったリストからまた一人「もっとも投票したくない人」を選ぶ。これを繰り返し最後に残った候補者に投票する。

この方法では衆議院にぜひ送りたい人は選べないが、ギリギリ我慢できる「もっともましな人」に投票できる。実はこれは悪い方法ではない。同意できない公約がいくつかあったとしても「もっともましな人」を選べば、あなたが賛同する公約が実現される可能性が上がるからだ。これは棄権するよりもずっと建設的である。