小学校受験、中学校受験の目指している子供を持つ親は、とかく群れたがります。
いわゆる”ママ友”というやつです。もしかしたら、昨今は”パパ友”というのもあるかもしれません。
しかし、(少なくとも中学受験に関しては)”ママ友”のへの参加は百害あって一利なしだと私は考えています。スタジオキャンパスの矢野先生も同じ意見です。
中学受験の保護者たちの間で有名になっている、次のような実話があります。
あるママ友の息子が第一志望のA中学に合格しました。別のママ友の息子は残念ながらA中学に合格できませんでした。
落ちた息子の母親は、合格した息子の母親のフリをしてA中学に電話をして「入学辞退」を伝えたそうです。嫉妬に狂った母親としては、同じママ友の息子がA中学に入学するのが我慢ならなかったのです。
これは決して冗談ではありません。
もし、あなたが落ちた息子の母親(父親)だとしたら、(そこまではやらないにしても)素直にお祝いをする気持ちには到底なれないでしょう。
「ママ友に入っていると様々な情報が得られるメリットがあるのでは?」と考える人がいるかもしれません。
しかし、次のような実例は今でも頻繁に繰り返されているのです。
ほとんどの中学では学校説明会を催していますが、子供がたくさんの中学を受験する場合、(特に両親ともに働いていると)受験校すべての説明会に参加するのは困難です。
そこで、ママ友同士で手分けして参加できない人の分の資料をもらってくることがあります。
学校によっては、説明会に参加してくれる保護者は自校への熱意があると考え、1問くらい予想問題(予想とはいえ、現実に本試験で出題されます)をくれるところもあります。
10人のママ友グループのうち2人が説明会に参加しました。
「他の人たちには資料だけを渡せばいいのよね」ということで2人の意見が一致し、他の8人には予想問題は渡さなかったそうです。
今はどうかわかりませんが、匿名の中学受験サイトには本当にひどいことが書かれていたものでした。
「F中学に合格するにはコネが必要です。コネがなければどれだけ試験の成績が良くても落とされます」というのを見て、私は憤りを感じました。
私の娘はコネなしできちんと合格できていたからです。
このような怪情報に保護者の方々が惑わされるのを少しでも軽減しようと思い、真実のみを綴ったブログが拙著「中学受験BIBLE」の元となりました。
ご同輩に相談したくなる気持ちはわかりますが、多くの場合ろくな結果にはなりません。
相談するなら塾の先生か合格した子を持つ先輩に限るべきでしょう。
このように、人間の最も恐ろしい性(さが)は嫉妬心です。
自分にとってなんのメリットもないのに、他人を引きずり落とすことにものすごいパワーが使われるのです。
戦場に例えれば、前線で勇敢に戦っている味方の兵士を妬んで、後ろから狙い撃ちするようなものです。普段から仲が悪ければ警戒もしますが、突然湧き上がった嫉妬心で背後から撃たれたのでは防ぎようがありません。
私自身、何度も背後から撃たれたことがあります。
昨今はそれなりに不運な状況にあることが周知されたおかげか、攻撃されることも少なくなりました。
「死んだ犬を蹴飛ばす人はいない」(デール・カーネギー)ということでしょうか(笑)
編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年11月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。