米大統領選から1年、トランプ氏のツイッター砲にみる株価への影響

新しい言葉ではなくコリンズ英語辞典の「今年の言葉」には取り上げられなかったものの、2016年11月8日の米大統領選以降、「unprecedented=前代未聞の」という言葉をよく聞きました。

政府の要職並びに軍歴のない初めての米大統領を選出してから、まさに前代未聞そのもの。歯に衣着せぬ言動だけでなく、ツイッター砲を駆使し世界中の話題を独占してきました。

振り返れば、大統領選から愛用してきたツイッターで様々な人々にニックネームを冠してきましたよね。対立候補だったクリントン元国務長官にはCrooked Hillary(不正のヒラリー)は、あまりにも有名です。共和党予備選ではオハイオ州のケーシック知事を 1of 38(名付けた当時までに行われた39州のうち1州しか勝利できなかったため)と呼び、ある意味斬新でした。最近では、引退を決めたコーカー上院議員にLiddle Bob(Littleの赤ちゃん言葉を用いている)の仇名を与えています。

企業を名指しして批判するツールとしても、ツイッターを活用してきた米大統領。CNBCによると、約15社の名前を挙げてきたといいます。対象となった株価を直撃し、ポジティブな内容の場合は短期的に平均1.1%高ガティブな内容の場合は平均で1.2%安の変動をもたらしました。

大統領選から1年後のS&P500リターン(1期目に限る)では、1952年以降で3番目の高水準を記録しています。


(作成:My Big Apple NY)

今後は税制改革や金融規制改革など政策実現性が注目されるなかで果たして米株高トレンドをサポートできるのか、引き続きツイッター砲に期待したいところです。

(カバー写真:Anthony Quintano/Twitter)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2017年11月9日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。