11月20日に発表された10月の公社債投資家別売買高によると、都銀は1兆2339億円の買い越しとなった。9月に都銀は1兆1532億円の売り越しとなっており、決算を意識した動きとみられる。都銀は9月に中期債を9050億円売り越していたが、10月には中期債を1兆5060億円買い越していた。
海外投資家は10月に8963億円買い越しとなっていた。9月は2兆4042億円と久々に大きく買い越していたが、10月の買い越し額は7月以来の1兆円割れとなった。海外投資家は長期債を3366億円、中期債を4360億円買い越していた。
公社債投資家別売買状況の下記データは、全体の数字と短期債の数字となっているため、短期債を除く債券のデータについて全体から短期債を引いた。ここには国債入札で購入した分や日銀の国債買入分は入っていない。
公社債投資家別差し引き売買高
注意、マイナスが買い越し
単位・億円
()内は国債の投資家別売買高の超長期・長期・中期別
都市銀行 -12339(2421、1054、-15060)
地方銀行 -4913(-440、-1258、-1342)
信託銀行 -946(-828、-3162、3866)
農林系金融機関 -4457(-2640、177、0)
第二地銀協加盟行 -1350(-560、-391、0)
信用金庫 -3802(-884、-619、20)
その他金融機関 -743(531、-241、4)
生保・損保 -4103(-2059、-10、-285)
投資信託 -1174(-222、6、-935)
官公庁共済組合 -226(-143、2、0)
事業法人 -750(-59、-4、2)
その他法人 -587(-164、-5、431)
外国人 -8963(496、-3366、-4360)
個人 237(0、22、3)
その他 4230(3274、-394、5094)
債券ディーラー 186(81、-8、209)
10月の全体の国債売買高は183兆円程度となり、9月の201兆円程度から減少していた。全体の中期ゾーンの売買高は10月は51兆円程度となり、50兆円台を維持させているが、このうちの海外投資家は26兆円程度となり、9月の30兆円程度からは減少した。
10月の債券相場は9月の下降トレンドがいったん収まり、債券先物で150円台前半主体のもみ合い相場となっていた。このなかで都銀などは決算を意識した売買を行っていたとみられ、相場そのものは膠着相場となっていたが、それなりに出来高も維持していた。
編集部より:この記事は、久保田博幸氏のブログ「牛さん熊さんブログ」2017年11月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。