神対応疲れ、働き方改革疲れ

大学のカフェで売っているハンバーガーが美味しすぎて、最近、こればかりたべている。研究室から持ち出したMacBook Pro(2015年モデル)と並べると、5年くらい前のノマドブーム風の写真になり、なかなか味わい深かった。

それはそうと、読売オンラインの「深読みチャンネル」に寄稿した。
長時間労働は“神対応”を見直せ : 読売新聞

タイトルの通り、「神対応」問題はこの記事の大きな論点である。この「神対応」によって業務が増えていないかという。

トヨタ式信奉者としては(そう、知っている人は知っているが、私はトヨタとリクルートの合弁会社立ち上げに関わり、トヨタ生産方式を関係者から直接学び 関連した書籍をプロデュースするレベルで一応知っており 工業系専門誌で記事を書いたこともあるんだぞ)、これは「標準・基準」の問題だと私は捉えている。つまり、サービスレベルをどうするかという話だ。ここから考えなくてはならない。そもそものサービスレベルが定義されていなければ、「神対応」が本当にそうなのかも分からなくなり、顧客はそこに漬け込んでしまう。

「神対応」を何につなげるのかという視点も必要だ。これにより、単価は上がるのか。上がらないにしても、顧客のリテンションにつながるのか。

もっとも、この問題について話し合うと、ポジティブな換金化はできておらず。顧客が望むから、断ると他社に案件を取られるからという話になり(顧客獲得という意味では貢献しているという話なのだが)。これもまた、企業や個人がマクロな環境に飲み込まれている一例だと言えないか。

この記事のもう一つのポイントは働き方改革疲れだ。働き方を変えましょうと言われると、誰も反対できないが、とはいえ、目標やリソースが変わらないまま、お上が言うからやれと投げられても困る。

そんな矛盾を見聞きした1年だった。おかげ様で講演の依頼をたくさん頂いたが、大企業の幹部や現場社員からの愚痴を日々、聞き続けた1年だった。

「働き方改革」の不都合な真実
おおたとしまさ
イースト・プレス
2017-11-17



最新作のこの本では、そんな「働き方改革」の「副作用」を語り尽くしている。長年、常見本を読んで頂いている読者からも絶賛されている。複雑な問題を読み解くヒントを提示できていると信じている。

11月26日(日)には下北沢B&Bにてイベントもある。

その場でも、この「副作用」について、共著者のおおたとしまささんと語り合う予定だ。ぜひ来てほしい。

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「パパのイベント、行ってやってね!」


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年11月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。