立憲主義を打ち出せば打ち出すほど、改憲派になるはずなのだがなあ、と思っていたが、どうやら立憲民主党も単なる護憲派、頑固な護憲派の陣営から離れるようである。
上手くすると、憲法改正論議が一歩前進する。
立憲民主党が共産党から一歩離れれば、護憲、改憲の不毛な争いをいつまでも続けなくても良くなるはずである。
希望の党や維新は憲法改正そのものには前向きだから、自民党が数の力を恃んで強引に憲法改正の発議に踏み切ったりしなければ、憲法改正を巡って国論が大きく分裂したり、国民の間に深刻な対立を持ち込んだりする虞はぐっと少なくなる。
自民党の中には立憲主義への理解がやや不足しているところがあるが、国民の理解を得ながら丁寧に憲法改正の議論を尽くしていくという基本姿勢を失わなければ、ほどほどの憲法改正案の発議に落ち着いていくはずである。
多分、公明党も立憲主義自体は否定しないはずである。
希望の党は衆議院の憲法調査会長を務めたこともある元自民党の衆議院議員の中山太郎元外相や自民党の憲法調査会長を務めたことのある船田元衆議院議員を講師に招いて希望の党としての憲法改正議論を進めることを検討しているようだ。
これがいい。
自民党も公明党も希望の党も維新も、国民の大多数が受け容れるような憲法改正案の発議が出来るように、丁寧に議論を尽くしていくのがいい。
多分、立憲民主党も、立憲主義の観点から見て受容できるような憲法改正案になるのであれば、無碍に憲法改正案の発議自体には反対しないのではないか。
まあ、憲法改正問題を政局に絡めようとすると、どうしても議論が先鋭化し、抜き差しならないところにまで追い詰められてしまうだろうが・・・。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年11月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。