味も栄養も色もどんどん薄くなる食卓の野菜たち

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

「日本人は健康志向」というイメージの方は多いかと思います。実際、そのイメージは日本公庫の農林水産事業が2017年1月に行った意識調査にも表れています。

<食の志向>

健康志向 44.1%

経済性志向(値段) 35.2%

簡便性志向(手軽さ) 30.2%

このように日本人が食材を選ぶ際は「健康志向」を最重要視するとなっています。同データによると「割高でも国産を選ぶ」は6割を超えており、食の健康を考える人は近年になって更に高まりを見せています。

参考:「健康>価格>利便性」データが示す日本人の健康志向の高まり

 

また、食だけでなく運動への関心の高まりや喫煙率の低下など、日本人の健康への意識の高さはかなりのものです。私の周囲でもタバコを吸う人は「少数派」となり、仕事やプライベートでお付き合いをする人たちはジムやヨガ、ダンスといったスポーツに積極的に参加しています。本来は歓迎するべき健康志向の高まりですが、その流れと逆行するのは「国産野菜の品質低下」です。「国産野菜って品質が低下しているの!?!?」と思われたでしょうか?実はメイド・イン・ジャパンの野菜は栄養が低下しています。一体、日本の野菜に何が起きているのでしょうか?

坂道を転がり落ちていく国産野菜の栄養価

※画像は筆者作成

「え、栄養が減っているといっても少しだけでしょ」と思われているなら、私が目の覚めるような話をしないといけません。文部科学省が発表している日本食品標準成分表によると、カルシウム、鉄分、ビタミンCなどがあらゆる野菜で減少していることが分かります。一般的に栄養価が高いイメージのあるほうれん草の栄養素の減少を取り上げてみたいと思います。

ほうれん草 100gあたりの栄養量

ビタミンC  鉄 分
1950年 150 13.0
1982年 65 3.7
2000年 35 2.0

※数字はmg(ミリグラム)

 

…どう思われましたか?この50年間でビタミンCは23%に、鉄分は15%に、カルシウムは50%になってしまいました。いくらなんでも下がりすぎですよね…。更に追い打ちをかけるようで忍びないですが、栄養価が落ちているのはほうれん草だけじゃありません。人参もトマトもその他日常的に口にする野菜の多くは似たような状態に陥っています。

救いは「旬の野菜」

※画像は筆者作成

今回紹介した野菜の栄養低下の話ですが、実は「栄養がたっぷり詰まった旬の野菜は昔と比べてもそれほど栄養低下が見られない」ことが女子栄養大学の辻村卓教授の研究結果により明らかになっています。先ほどまで気持ちの落ちるような話をしていましたが、ここに来て希望を感じる話が出てきました。栄養価を考えると「旬の野菜を買うようにする」ことが重要です。

旬の野菜はメリットが一杯

これは野菜に限った話ではありませんが、旬の食材ってメリットがいっぱいなんですよ。

栄養も豊富だし、収穫量も多いので値段も安いし、何より味が充実しています!夏には夏の野菜を、冬には冬の野菜という具合にそれぞれの季節で一番おいしい野菜を手にとって食べる!…昔はいまほどハウス栽培や生産技術がなかったので自然にそうなっていました。今こそ旬の食材を楽しむという原点に立ち返り、野菜を買うなら旬のものを頂くようにしましょう!

ぜひ旬の野菜を食べるようにしましょう!

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。