障害を持つ学生に連携して対応する米国の大学

連邦法Americans with Disabilities Act(障害を持つアメリカ人法)によって米国では障害者差別が禁止されている。だから大勢の障害を持つ学生が大学で学んでいる。勉学の過程で教材、たとえばソフトウェアがうまく利用できない場合には、学生は大学に改善を求める。場合によっては訴訟を起こので、膨大な訴訟例をまとめたサイトもできている

しかし、大学も対応に困るときがある。たとえば市販のソフトウェアを購入しただけという場合が相当する。もちろん市販品のアクセシビリティを評価してから購入するのだが、完ぺきな検査はむずかしい。

そこで、大学同士で連携してソフトウェアのアクセシビリティ評価結果を交換しようということになった。

高等教育への情報技術の導入を進めるNPO・EDUCAUSEで、ソフトウェアのアクセシビリティ評価結果を交換するとともに、集団としての購買力を行使してソフトウェアベンダーに圧力をかけようという話が起きた。記事にはワシントン大学やパデュー大学の名前が出てくる。

評価に主観が混ざるのは許されない。正確性と信頼性を確保するため、ソフトウェアのアクセシビリティ評価を実施し公開する、一貫性のある透明なプロセスを作り上げる必要がある。一方で、アクセシビリティはベンダーの責任であると明確にして、ベンダー側での出荷前対応を義務付けようという考え方も出ているという。

障害のある学生のためにこのような議論が行われている米国は、わが国よりも相当先に進んでいる。わが国も障害者差別解消法に基づく対応を一層強化すべきである。