こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
リニア建設を巡る談合疑惑が予想以上の広がりを見せており、これは東京都が現在進めている入札制度改革にも少なからず影響を与えることになると思います。
大手ゼネコン4社談合か=リニア入札、鹿島、清水も捜索-独禁法違反容疑・東京地検
ここで談合の存在がはっきりと証明されれば、
「やっぱりゼネコンは…!」
という世論が喚起されますから、これらの事業者が多く絡む入札制度には厳しい目が向けられることになり、国のみならず都独自の入札制度改革へも期待が膨らむ可能性が高いでしょう。
とはいえまだ疑惑の捜査段階であり、慎重にその推移を見守らなければならないと思いますが、そんな中で東京都顧問の安東氏が驚くべき発言をしています。
こういう記事に対して、信じられないことにゼネコンを擁護するに等しい意見が出たり、発注側の積算能力が云々という言い訳も聞くわけだが、JRにせよ東京都にせよ(昨今は確かに発注側の人材不足は否めないもの…https://t.co/XVJ9ymOWFJ #NewsPicks
— 安東泰志 (@nhcjpn) 2017年12月18日
(NewsPicksのコメントは転載禁止ということで、スクリーンショットは削除いたしました。失礼致しました。)
内容はリンク先をご確認いただきたいのですが、安東顧問の発言後半【追記】の部分を要約すれば、
●証拠が今のところないだけで、都の一社入札では談合が行われている
●なのでフォレンジック調査を行えば、その証拠は取れる
●だが小池都政では、敢えてそれをやらずに見送った
ということになります。都顧問という立場の方によるこの発言は、極めて重大なものではないでしょうか。
これまでも私を含め多くの議員が都の特命随意契約・一社入札に警鐘を鳴らしてきましたが、ここまで断定的な表現をすることは極めて異例です。
小池知事はそもそも豊洲市場への移転延期理由の一つとして「建設費の高騰(≒談合疑惑)」を掲げ、その検証を行うと発表しました。
一社入札・99.9%という落札率は都民目線から不透明に見られたのは事実ですし、この調査を行うことには私も賛同しました。調査や検証を行うこと自体は、間違った判断ではないと思います。
しかしながらこうした建設費の高騰については、小島顧問(当時)率いる市場問題PTで「高級ホテル並」というよくわからない結論が出たのみで、都政改革本部や財務局による調査でも、これまで不正は発見されておりません。
個人的には、全会派の合意が取れず、何度も議題に上がりながら百条委員会で入札談合疑惑について調査・参考人招致ができなかった点が心残りではあります。
とはいえ議会としての調査も終わったのですから、市場移転及び入札制度改革を前に進めるにあたっては、この「不正は見つからなかった」とする結論を前提とした総括が必要であると考えています。
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ところが、やっぱり談合は存在し、知事がその気になればそれは証明できるのだ!となれば話はまったく異なります。
安東顧問は「入札制度改革に集中しようとした」と述べていますが、もはや入札制度改革と談合疑惑は密接不可分なものであり、徹底調査は知事がその気にさえなれば今からでも断行できることです。
今回のリニア談合疑惑で、改めて調査をする「大義」も生まれました。都顧問がここまで確信を持っているのであれば、やらない理由はありません。
ただし、勿論それだけの確信を持って調査を行い談合が発見できなければ、知事本人はその政治判断に相応の責任を負うことになるでしょう。
一方で、徹底調査をやらないというのであれば、東京都顧問という重責を担う方がこのようなバイアスがかかった発言をすることは、極めて不適切であると思います。
豊洲市場移転や五輪に向けて、これからも様々な公共事業を発注する事業者との信頼関係が重要なことは指摘するまでもなく、この場合は発言の撤回と知事の任命責任が問われることになるでしょう。
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こうなればもはや、選択肢は2つに1つです。
ならば再度の徹底調査に乗り出し、東京都の入札疑惑をすべて洗い出す機会とするべきではないでしょうか。
仮にそれで談合疑惑が証明されれば、小池都政の紛れもない功績となります。そしてそれは、執行機関の長である知事にしかできないことです。
前述の通り、政治的リスクは大きなものです。ですが、すでに都顧問の発言は世間に放たれています。
この重大発言を受けて知事がどのように対応されるか、引き続き注視するとともに、私も議会の立場から入札制度と改革の是非について調査を継続して参ります。
それでは、また明日。編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2017年12月19の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。