RCF代表理事の藤沢烈さんの新刊
『人生100年時代の国家戦略 小泉小委員会の500日』を拝読しました。
「年金、介護、医療、子育ての中で保険がないのは子育てだけ。」
「年金・医療・介護で合計約15%も保険料がある一方で、0.1%のこども保険がダメだというのは全世代型社会保障の放棄ではないか。」
「保険にせよ税にせよ、負担増はあってはならない。一般財源を削るべきだ。」
・・・ふだんはよく分からない自民党の部会(党の政策決定機関)における、それぞれの議員の丁々発止のやり取り、熱量、そして最終的に異なる意見をどうまとめていくのか、どの段階で矛を収めるのか、小委員会の500日を丁寧に記録した本。
官僚も、政治家(を志す人)も、そして政治をシニカルに批判する人も、ぜひ読んでほしい。みんな超真剣ですよ。
317頁+付録52頁は読み応え十分だが、一つの政策を決めるためには相当の議論があることを体感できると思う。
巻末の著者・藤沢烈氏による分析も秀逸。
「民主党政権の失敗の本質は、政策の中身ではなく政策決定過程にあった。徹底的な党内議論の上で、最終的にはひとつの結論を出し、いったん結論が出れば一枚岩で推進していく、あるべき一連の過程を実行できなかったことにある。」(311頁)
などとても興味深い。
ぜひご一読を
<井上貴至 プロフィール>
<井上貴至の働き方・公私一致>
東京大学校友会ニュース「社会課題に挑戦する卒業生たち」
学生・卒業生への熱いメッセージです!
<井上貴至の提言>
間抜けな行政に、旬の秋刀魚を!
編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2017年12月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。