こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
こちらの記事がネット上で話題になっておりまして、中央区民の方を含めていくつかの問い合わせをいただきました。
都心と臨海副都心を結ぶBRTの開業は少なくとも大会後にズレることが確定 https://t.co/31a9tyWPLT ニュースにならなかったので気づくの遅れました。小池知事は都合の悪いことはごまかしたりサラッと流したりで自分の責任で計画の遅れが発生したことを謝ったりはしないですね。
— のらえもん (@Tokyo_of_Tokyo) December 27, 2017
BRTとは「バス高速輸送システム」の略称で、環状二号線を通って都心と湾岸エリアを結ぶこのバス交通の運行開始には、都心へのアクセス向上に対する大きな期待が集まっているものです。
参考:
●都心と臨海副都心とを結ぶBRTについて | 東京都都市整備局
きっかけは年内最後の知事記者会見です。
【記者】 日本経済新聞の安部です。環状2号線について伺います。今日、移転日程が正式に決まったことで、環2の地上部の道路は五輪までに間に合うという見通しになったと思いますが、移転の延期によって、地下トンネルは間に合わないということになりました。五輪の大会輸送の能力が大幅に落ちるということと、BRTが本格稼働できないので、選手村のまちづくり、こういったところに支障が出るんじゃないかという懸念もありますが、知事は、こういうデメリットの点について、どういうふうに捉えておられるか、この点、どういうふうに対処されるかと、この2点、お願いします。【知事】
まず、今回、移転日が決まったということ、それから、これから車両基地の整備を行っていくということと、それがすなわち環状2号線の地上部が確保されるということであります。BRTについては、大会の後ということもございますが、それらについては、工事の計画などでできるだけ短期間にそれが実行できるように、さまざまな工夫も必要なんだろうと考えております。
…んんっ?!確かにこれは、都庁の認識とズレがあるように思えます。
BRTの開業時期はまさに重大な懸念事項であり、今夏に行われた臨時議会(経済港湾委員会)において、私も質問の中になんとか一つ紛れ込ませて現状を確認しておりました。
【おときた】 また、環状二号線の建設とあわせて、東京二〇二〇大会以降も、地域の発展を支える交通機関として、民間事業者と協力したBRT、バス高速輸送システムの運行開始が計画されていたことと思います。市場移転に一定のスケジュールが見えた今、BRT計画についてはどのような見通しになっているのか、現状をお伺いいたします。【佐々木都市整備局企画担当部長 オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務】
ただいまの答弁にもございましたが、環状二号線の地上部道路につきましては、平成三十一年度末を目途に整備させることとしております。お話の都心と臨海副都心を結ぶBRTにつきましては、環状第二号線の整備状況に合わせて、運行を順次開始することとしておりまして、現在、運行事業者と協議を行っているところでございます。引き続き、BRTの事業推進に向けて着実に取り組んでまいります。【おときた】
BRT計画についても、実施に向けて前向きなご答弁をいただきました。BRTなどの交通インフラの拡充は、中央区民、湾岸都民を初めとする多くの都民が待ち望んでいるものです。環状二号線開通にめどが立った今、着実な計画の前進を望むものです。(経済・港湾委員会速記録第十一号より)
この答弁を素直に読み下せば、地上部道路の整備とともに運行を開始すると理解できます。
とはいえ「いや、環状二号線の整備状況に合わせて、というのはあくまで地下トンネルが前提なんですよ」と強弁することもできるので、微妙と言えば微妙です。
冒頭に紹介した記事の筆者も都市整備局に個別に問い合わせをされておりますが、私からも現状についてもう少し突っ込んだ話を聞いてみました。
・知事の記者会見には驚いたのは事実
・一刻も早い運行開始を目指していることに変わりはない
という内容は変わりませんが、じゃあ結局、環状二号線の地上部道路にBRTは走らないのか?と聞くと、「それはBRTの定義によります」とのこと。
…定義??
どういうことかと言いますと、BRTとは「バス高速輸送システム」の名の通り、「高速」「早い」ということがウリであり定義の一つになっていると。
地下トンネルではなく暫定の地上部道路の場合、地下トンネルと比べれば所要時間が異なり様々な制限があるので、果たしてそれが「高速輸送システム」と言えるのか疑問であると。
車両一つとっても、自動運転化を含めた様々な最新システムが検討されており、こうしたものも片側一車線の暫定道路では運用が難しい可能性もありますからね…(引用元資料)。
そういう意味では、狭義での「BRT(バス高速輸送システム)」運行は地下トンネル開通後=五輪大会後になるかもしれないが、環状二号線を結ぶ交通インフラが湾岸地域にとって極めて重要なことは認識しているので、バス運行開始を含めて引き続き検討を進めていきたい。
とのことでした。
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市場移転政策の影響により、こうした都市計画にまで大きな影響が出ていることは、真摯に受け止めなければなりません。
私自身の政治判断の誤り・力不足がこうした状況を招く要因の一端となっていることも、改めて誠に申し訳なく思っています。
環状二号線が暫定道路である間は、本格的なBRT運行開始は難しくとも、大体の交通インフラで少しでも補える計画が実現されるよう、引き続き議会側からも提案を続けて参ります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2017年12月27日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。