日本経済新聞電子版によれば、2017年の海外からの国内不動産取得は1兆1000億円と前年の約3倍に増え、3年ぶりに最高を更新したそうです(図表も同紙から)。
調査によると、賃料収入を取得価格で割った表面利回りは、東京の大手町のオフィスでは現状3.55%とここ15年で最低水準になっています。投資資金流入によって価格が上昇しているのがその要因です。
しかし、不動産投資は通常現金購入ではなく、ローンで借り入れを行って資金調達をします。その場合は、賃料収入からローンの支払いを差し引いたものがリターンになります。
もし、賃貸利回りが、8%あっても借入金利が5%なら金利差(イールドギャップ)は3%になります。賃貸利回りが5%に下がっても借入金利も2%まで下がれば、金利差は3%のままで変わりません。
つまり借入を使う投資である不動産の場合、賃貸利回りよりもイールドギャップの方が重要だということです。
東京の高級オフィスビルの投資利回りから長期金利(10年国債金利)を引いた利回り差は2.8%となっているそうです。これは2%台前半のロンドンや1%台のニューヨークや香港と比較すればかなり高い水準であることがわかります。しかも東京のイールドギャップはここ数年安定した水準にあることがわかります。
プロが投資する都心のオフィスビルだけではなく、個人が2000万円程度で購入できる都心・中古・ワンルームも同じように表面利回りが5%前後で借入金利は1%台半ばになっています。管理費などの経費を差し引いても約3%のイールドギャップを取ることができます。
金利水準が変わらなければ、東京のイールドギャップがニューヨークや香港と同じになるためには、東京の不動産価格が今の2倍以上になる必要があります。都心・中古・ワンルームが4000万円くらいのイメージです。
そう考えれば、現状は不動産が割高とは一概には言えず、借入ができる「お金を借りる力」のある人にとっては、その能力を最大限に活用するチャンスと考えることもできるのです。
具体的に、2018年に不動産投資を始める個人投資家は失敗しないためにどうしたら良いか?興味のある方は1月20日のイベントに是非いらしてください。目からウロコの方法をお知らせいたします。
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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年1月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。