BSフジ「プライムニュース」に出演した。労働法制に関連して、加藤厚労相、日本総研山田久氏とディスカッション。
いかにも、「働き方改革に物申す者」代表、カウンター、左派代表のような感じの位置づけでの出演で。実際、そんな感じになったのだけど。内容、話し方含め、諸々反省点があるが、いかがだったろうか。お陰様で、たくさんの方から反響を頂き。仕事でお世話になっている自治体職員からは「登場した瞬間の気迫に満ちた表情を見て、これから何が起こるのかと思った」というコメントを頂いた。
この出演のために勉強をし直したし、最高に気迫に満ちた雰囲気を出すために、食事、運動などにもこだわり、酒もだいぶセーブした。終了後、局に用意されたタクシーに乗り、途中、コンビニに寄ってビールを開けた瞬間に気が抜け。週末は、終始、脱力感。ぼうっとしていた。風邪をひいてしまった。久々に38度の熱。日曜日はずっと寝込んでいた。だいぶ痩せてしまった。
熱で悶絶していた際に、枕元のiPhoneを見てびっくり。西部邁が亡くなった。入水自殺だという。具体的に何歳なのかもうろ覚えで。あの人、最近、どうしているかなと思っていたところだからびっくりした。
西部邁の全共闘時代のことや、保守論客としての活躍はほとんど知らない。若い頃に雑誌に載った論考やインタビューを読んだような気がするが、うろ覚えだ。申し訳ないが、西部邁について触れられている本は読んだことがあるが、彼の本は1冊も読んだことがない。申し訳ない。
私にとっては、「朝まで生テレビ!」で左翼多めの中、「保守」の立場からヒール役を担っている老害感のある人という印象で。実際、私の西部邁に関する原体験は中高生の頃に背伸びして見ていた朝生で闘う様子であり、何よりも、学生時代に観覧に行ったスタジオでバトった体験である。
そう、1995年の6月、私は朝生の観覧に行っているのだ。そこで観覧席からの一言というコーナーがあり、そこで西部邁に絡んでいるのだ。約10分にわたるバトル。彼の答は噛み合っておらず。「噛み合っていないですよ!」と私が激昂するという。そこに仲裁に入るのが宮台真司先生。訃報を聞いてから見返してみると、MCは宮崎緑先生だということに気づいた。千葉商科大学国際教養学部の学部長であり、今の私の上司である。何かこう運命が凝縮されたような映像だった。
のちに、西部邁は札幌南高校の先輩だと知り。ずいぶんと失礼なことを言ったなと思いつつ、このやり取りこそ、南高っぽいなとも思い。
これが、私の論者原体験で。何かこう、メディアで荒ぶって何かを言うという体験をした一歩だった。自分にとっての朝生とは、この時期のようなカオスな状況で。大の大人が荒ぶっている様子が好きで。今の朝生はあえて失礼な言い方をすると、田原総一朗喜び組のような感じで。あるいは、優等生だらけで。
「プライムニュース」、そして西部邁の訃報の後にTwitterでコメントを頂いた。「この頃から変わっていませんね」と。いや、変わっていないというか、そうだな、あれが原点だったのだ。
たぶん、考えはまるで合わないけれど、何者でもないあの頃にあなたと会えてよかった。合掌。
編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2018年1月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。