Input・Output
プログラミングスクールに通っている期間は、基本的に「Input」です。今まで、持ち合わせていなかった能力を頭に体にしみ込ませるための時間だからです。衆議院議員の時代は、Inputもあったけれど同じくらいOutputもありました。今週末は、久々の「Output」、スタートアップカフェ・コザで「Zeroから社会を変える~あなたも政治家になりなさい」というテーマで、ナカムラマコト代表と対談そして、質疑応答でした。33年間の「政治道」から見えることを伝えたつもりです。
普段、まじめな53歳として無口にプログラミングを学んでいるので、同期のスクール生にとっては、どんな話し方をするのか、どんな話をするのか・・・と思ったかもしれません。これはオープン講座なので、スクール生もそれ以外の人も、誰でも参加出来るイベントです。ゼロから何かを作り上げるという意味では、起業家になることも政治家になることも同じだし、社会課題を解決するという意味では至る道は違えども、たどり着く場所も同じなのです。
「世のため人の為」、世の中の為に社会を変えたい、だから変わる側にまわりたい。僕はその選択として政治家という方法論を選んだのです。僕が高校生の時代、インターネットなど普及もしていないし、ましてや個人が取り扱えるようなものではありませんでした。新たな産業革命と言われるように、当時、ITが今のように進んでいたら、社会を変える方法論として、ITで起業という方法論も選択肢としてあったはずです。その意味では、今は社会課題を解決する手法が目の前に複数ある、最高の時代と言えるかもしれません。なら、「まず、やってみる」ということです。
起業という方法論で社会を変えたいという人に対して、「本当に社会課題を解決するビジネスなら、儲かるはず、儲けなくてはいけない」と伝えました。「儲からないなら、それは真の課題でなかったか、アプローチの手法が間違ってる」。そして「儲けてたくさん税金を払うことが企業の最高の貢献だ」と。社会課題を解決している起業家が貧乏くさくては、誰も後に続かない。そこに、光り輝く夢が、モデルがあるから、目指すものがあるから、後が続く。起業家が貧しくても良いというのは、単に言い訳のような気がする。理屈で言えば、政治家も同じだと思う。儲かることはないけれど、生きざまが憧れにならなくてはいけない。社会課題を解決しているななら、選挙に強くならなくてはいけない。現実は、政策と選挙は別物扱いになっていることに問題があるのですが・・・。「末は博士か、大臣か」と言われていた時代が懐かしく思う。少しでも、参加者に何かが伝わっていれば幸いだ。
もう1つのOutputは1月に創刊されたインターネットメディア「The Urban Folks」の取材です。これも、ナカムラマコト代表との対談。こちらは「草の根IT人材の育成~スタートアップカフェ・コザの挑戦」というテーマです。起業支援拠点が、プログラミングスクールを運営している意味。人材を育成しているだけではなく、起業に繋げる事までかかわる必要性。コザがハブとして、人材、ビジネスモデルをアジアに展開していく意味。対談していてわかるのは、僕とナカムラマコト代表の思いは同じだという事です。
IT人材は、最上位の「ホワイトハッカー」(この人たちは育てられるものではない)。サイバーセキュリティーを担う国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」を頂点とするピラミッド型です。ピラミッドの上位に位置づけされているサイバー人材は全く足りていない。三角形の頂点を膨らませるためには、ピラミッドの土台部分を増やしていかなければなりません。ホームページを担う人材、ゲームを担う人材、金融を担う人材、データベースを担う人材。学んでいる内容、能力によって、担う箇所は異なるけれども、全体が繋がってIT社会を構成するのです。ナカムラマコト代表は、現在の基礎を学ぶスクールの上に、将来は上級クラスをつくると言ってました。ピラミッドの階段を上がっていく為のものです。ビジネスに繋がる草の根IT人材育成は、社会課題の解決そのものなのです。
週末のOutput、明日からはもちろんInputです。
次回は「30歳年下から学べるか・・・」
編集部より:この記事は元内閣府副大臣、前衆議院議員、福田峰之氏のブログ 2018年2月7日の記事を転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、福田峰之オフィシャルブログ「政治の時間」をご覧ください。