トヨタ・アルゼンチン、自動車輸出総数の41%で輸出No.1

LA NACIONより引用

トヨタ・アルゼンチンは昨年の自社の輸出台数86,415台がアルゼンチンから輸出される自動車総数の41.2%占めるという記録を達成した。トヨタの後に続くのはフォード19.1%(40,019)、フォルクスワーゲン16.5%(34,656)、ジェネラル・モーターズ13.6%(28,450)という順になっている。

トヨタ・アルゼンチンはこの需要に応えるべく、2017年の生産台数は前年に比べ30%の増産となり、125,317台を生産した。年間生産台数を131,000までに増やす生産体制にすることは昨年5月にマクリ大統領が訪日した際に、トヨタ本社から発表された。

現在トヨタ・アルゼンチンの輸出の柱になっている車種はハイラックスとSW4であるが、僅か20年でこの偉業を達成したのである。

1997年3月21日にブエノスアイレスから僅か90㎞離れたサラテ市でトヨタの生産が稼働したのであった。それはトヨタの海外での29番目の工場であった。400人の従業員でスタートし、その年は1万台を生産。

2003年には10万台を達成し、2011年には創業時から数えて生産台数は50万台に到達した。創業時点から昨年までの投資額は20億ドル(2220億円)、従業員は現在5740名を数えるまでになっている。

生産台数の7割は輸出向けで21か国に輸出している。最大の市場はブラジル、そのあとにボリビア、チリ、コロンビア、エクアドル、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、ベリーズ、コスタ・リカ、ニカラグア、ホンジュラス、エル・サルバドル、パナマ、グアテマラ、バハマ、セント・マーティン、ハイチ、ドミニカ、アルバ、キュラソーというのがトヨタ・アルゼンチンの輸出市場である。ラテンアメリカそしてカリブ海には41か国があり、トヨタ・アルゼンチンの輸出相手国は今後さらに増えるのは確実である。

ラテンアメリカそしてカリブ海には年間で400万台の自動車が販売されており、トヨタはその10%にあたる40万台を販売しているという。

メキシコの場合,ハイラックスはタイ国から輸入している。トヨタ・アルゼンチンにとって、当初メキシコは重要な市場ではなかった。ブラジルの次にパラグアイやコロンビアでの販売強化に関心を持っていた。メキシコは距離的にも遠い。その結果、メキシコは2015年にアルゼンチンからのハイラックスの輸入を止めて、タイ国からの輸入に切り換えたのであった。

ところが、ブラジル市場が不況で後退した為に、メキシコ市場への復活を図りたいが、メキシコとアルゼンチンは自動車生産国ということで無関税で輸入できる輸入枠がある。一旦、メキシコへの輸出を止めたアルゼンチンのハイラックスがメキシコで再輸入されるにはこの輸入枠の問題が絡んで来るのである。

トヨタ・アルゼンチンが輸出で好調さを維持している背景には、ブラジルの深刻な不況がある。その影響でブラジルからの需要が後退していた分を、トヨタ・アルゼンチンはラテンアメリカ市場での販売の拡大に動いたのである。それを後押しするかのように、タイ国のトヨタ工場の生産が増産するには限界に来ているという。そこで必然的に、ラテンアメリカの市場はトヨタ・アルゼンチンからの供給に頼らざるを得なくなっているというわけである。

また、アルゼンチンでピックアップ車の需要が高いというのも、アルゼンチンは肥沃なパンパを利用して農牧畜が盛んで、更に自然資源が豊富である。そのような国柄から、自動車に大きな荷物を積む機会が多く、ピックアップ車はそれに最適なのである。

昨年7月のアルゼンチン国内におけるピックアップ車の販売リストでもハイラックスは首位にあった。その後に、フォルクスワーゲン・アムロック、フィアット・トロ、フォード・レンジャー、シボレーS10が続いている。日産のフロンティアが9位に姿を現している。

トヨタ・アルゼンチンはアルゼンチンの自動車業界において政府に影響を与えるほどに非常に重要な存在になっている。