昨日は仮想通貨のセキュリティーに関するセミナーを開催しました。30名の方が集まり、仮想通貨の安全な管理方法と税金について専門家の話を聞きました(写真)。
銀行の通帳と印鑑を同じ場所に置いておくと盗難リスクがある事は、口座を持っている人なら誰でも理解しています。キャッシュカードの暗証番号を人に教えてはいけないことも誰でも知っています。しかし、仮想通貨の場合、何を知られるとまずいのかを理解している人が意外に少ないのです。
また、銀行口座は印鑑紛失やキャッシュカードの破損にも窓口が対応してくれます。しかし、仮想通貨の場合は、秘密鍵を紛失してしまえば、二度とアクセスできない可能性が高まるのです。
セミナーでは仮想通貨の保管場所について、大きくホットウォレットとコールドウォレットの2つがあることを説明し、コールドウォレットの3つの種類とそれぞれの使い方について情報提供しました。
大量の仮想通貨は、ネット接続からリモートされたコールドウォレットでの保管が原則ですが、コールドウォレットのセキュリティ管理をどうするかが、次の課題になります。アクセスできなくなるリスクを考えると、紙に書いたり印字したものを保管する必要が出てきますが、問題はそれをどこに保管するかです。絶対に安全な場所はありませんが、日本国内で紙に書いた情報を最も安全に保管できるのは、恐らく銀行の貸金庫だと思います。
仮想通貨というデジタルな世界のセキュリティ管理は最終的に、フィンテックとは対極にある銀行のアナログなサービスに行きつく。何とも皮肉な話です。
それでも絶対に安全なウォレットを作ることはできません。最終的には複数のウォレットに、仮想通貨を分散して保有することも必要になってきます。
今後技術革新によって、さらに安全な保管方法が出て、昨日のセミナーの内容も数か月後には価値の無い内容になっているかもしれません。技術進歩が速く、情報があっという間に陳腐化していく仮想通貨の世界。これからも定期的に情報のアップデートが必要だと痛感しました。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年2月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。