ビットコインの価値は「世界の3大問題」を解決できる可能性

昨日は新刊「絶対に損をしたくない人のための仮想通貨投資入門」の出版記念セミナーでした。

前半は私の講演、後半はミアン・サミさん(写真)の講演という二部構成ででしたが、70名満席御礼で盛り上がりました。

私は、アセットアロケーションと仮想通貨という2つをどのように融合させるかをテーマにお話しました。トレーディングで儲けるのではなく、資産全体の中に仮想通貨を位置付け、「3つの方法」を組み合わせて成果を出すという提案をしてみました。書籍に書いたことのエッセンスです。

後半のミアンさんのお話でユニークだったのは、仮想通貨は世界の3つの問題を解決するという見方でした。

その3つの問題とは
金融取引の手間とコストの解決
中央銀行の発行する貨幣価値下落の解決
そして、世界の格差問題の解決です。

日本の銀行の店頭に手続きに行くとよくわかりますが、既存の金融機関の生産性の低さは尋常ではありません。長時間待たされ、伝票は紙に書き、多額の手数料を払って手続きをする。ネットのサービスも提供していますが、煩雑で使いにくい。仮想通貨はこの非効率性を解決する手段の1つです。

また、中央銀行が発行する貨幣は、発行量に制限がなく、インフレによる価値の毀損を繰り返してきた歴史があります。ビットコインには発行上限があり、そのようなリスクを防止する仕組みが備わっています。

さらに、仮想通貨をモバイル端末と組み合わせれば、誰でも送金や富の蓄積が金融機関を通さず簡単に行うことができるようになります。特に、銀行口座さえ持たない新興国の貧しい人たちにとって、仮想通貨はファイナンスへのアクセス手段となり得るのです。

テスラの創業者イーロン・マスクは、「資本主義の報酬は解決する問題の大きさに比例する」と語っています。

もし、仮想通貨が世界の3つの問題を解決する存在になれば、その存在価値は上がっていくということです。

現状の仮想通貨はお世辞にも使い勝手が良いとはいえません。しかし、不完全な存在だからこそ、そこに新たな可能性が満ちているのです。ブロックチェーン技術を使って世界の大問題が解決できるかもしれない。これは、ロマンのあるテクノロジーです。

私も、アセットアロケーションの観点から仮想通貨との付き合いをさらに深めていきたいと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年4月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。