豊洲移転のドタバタ、練馬区区議会選挙の惨敗など、小池都政と都民ファーストの勢いは陰るばかりです。
しかし、今回、その退潮を挽回して余りある偉業がなされようとしています。
歴史的、と言っても良いような打ち手です。
それが、受動喫煙防止条例です。
ダメダメな政府案
政府の受動喫煙防止案は、「原則屋内禁煙。でも100平米以下は例外ね」というものです。
100平米以下を例外にすると、約9割の居酒屋は吸い放題になります。
原則と例外が逆転した、とんでもない法律が成立しようとしています。
現在、毎年1万5000人が命を落とし、受動喫煙によって3000億円もの医療費が余計に使われているにも関わらず。
このままだったら、東京オリンピックも受動喫煙し放題、世界中から軽蔑されることは明白です。
東京が救世主に
しかし、東京都がやりました。ここにきて国を大幅に上回る条例案を出してきたのです。
日経新聞で早速取り上げられたので、見てみましょう。
従業員雇う飲食店、原則禁煙都条例案は規制厳しく
2018年4月20日東京都は制定を目指す受動喫煙防止条例案で、従業員を雇っている飲食店については店舗面積にかかわらず原則屋内禁煙にする方向で調整に入った。煙を完全に遮断するブースを設ければ喫煙を認め、設置費用を都が助成する。実現すれば都内飲食店の8割以上が規制対象になり、国の法案に比べ大幅な規制強化になる見通しだ。
都は6月開会の都議会に受動喫煙防止条例案の提出を目指す(東京都庁)
(中略)
受動喫煙防止を巡っては政府が3月、事業者に対策を義務付ける健康増進法改正案を閣議決定し、客席面積100平方メートル以下の店は例外にしている。都は一時、規制対象外を30平方メートル以下とする条例案を検討していたが見送る。従業員を雇っていない個人や家族経営の飲食店については屋内禁煙の対象外とする。ただ、子どもが出入りする店は対象にし、幼稚園や保育所、小中高校の敷地内も禁煙にする方針だ。
この条例案が通過すれば、今度は8割以上の飲食店店舗が原則禁煙となるわけです。
すごい、もうタバコを吸わされながらご飯を食べる苦痛から、解放されるのです。
6月の都議会まで安心できない
しかし、まだ安心できません。
これから6月までの間にタバコ会社等からの圧力が、都議会議員たちに猛烈に降り注ぐことになるでしょう。
彼らがこの受動喫煙条例に賛成するよう、都民が声をあげないといけません。
お住いの市区町村の名前+都議でググると、地元選出の議員の名前が出てきます。
彼らにメールや電話で、エールの声を送ってください。
引き続き毎年1万5000人が死に、医療費を無駄遣いし続けるか、受動喫煙のない社会をつくるか。
ここが分かれ目です。
編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2018年4月21日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。