マネー教育としてのカードリテラシーを磨く!

荘司 雅彦

5月11日、最後まで残ったアメックスカードを解約し、私が持っているすべてのカードを「会費無料」にした。

ネットショッピングが全盛でない頃は、私はほとんどカードを利用していなかった。

利用できる店が今ほど多くなかった、かれこれ20年くらい前のことだ。

ネットショッピングが便利になりだしたのは、10年~15年くらい前だろうか?
ネットショッピングをするにはクレジット・カードがないと不便だというとで、会費無料の最低ランクのVISAカードを持つようにした。

ある時、買い物がかさんで100万円くらいになった時、ディスカウントショップを展開する某店舗の男性従業員から電話が架かってきた(当時はメールも大々的に普及していなかった)。

「限度額いっぱいで一部の商品をキャンセルして下さい」
「え!たった100万円少々しか使えないの?」
「お客様のカードだと限度額が決められてましてねえ」
「どんなカードなら限度額ナシで使えるのですか?」
「お客様だとお持ちになるのは難しいかもしれませんが、ダイナースとかアメックスだと限度額ナシです」

会費無料の最低ランクのカードを使っていると、店舗の人に馬鹿にされるのかと憤慨し、さっそく当時日弁連が提携していたダイナースカードを作った。

その後、口座を持っていた新生銀行との提携サービスに勧誘され、アメックスのプラチナカードに入会し、ダイナースを解約した。

「これがプラチナカードというものか?」などと感心し、誕生日にアメックスから記念品が届くことに少し感激した。

その後、新生銀行の提携サービスが廃止されて年会費が上がった。年間3、4万円(もしくは5万円くらい?)だったのが、10万円近くになったと記憶している。ポイントリターンのメリットはそれなりにあったが、10万円近くの会費を払うのがバカバカしくなり、さっさと最低ランクのグリーンカードに変更した。

カード会社の担当者からは「せっかくのプラチナを…」と引き留められたが、私には高額な会費を払ってカードで見栄を張る趣味はなかった。最低ランクのアメックスを残したのは、「限度額ナシ」カードを最低1枚は持っていなければ思っていたからだ。

しかし、今般、ついにその必要もなくなった。
ネット通販ではそれぞれの店舗のカードを使う方がポイント還元が高い。楽天市場だと楽天カードを、ヨドバシ・ドット・コムだとヨドバシ・ゴールドポイントカードを、アマゾンだと(会費無料で還元率の高い)オリコカードを、ドコモの支払いにはドコモカードを…といった具合だ。

デパートでも三越伊勢丹や東武百貨店の独自のカードを使えばポイントは貯まる。

ダメ押しに、プリペイドのLINEペイカードの還元率はとても高いので頻繁にこのカードを使っている(5月末で高還元がなくなるそうだが…とても残念だ)。

ネット通販用のカードは登録しているので持ち運ぶ必要はなく、財布に入れておくのは百貨店系カードとラインペイカードとガソリンスタンドのプリペイドカードくらいで済む。

楽天、ヨドバシ、ドコモ、百貨店などなど、買い物をする店舗等のカードを利用するのが一番ポイントが貯まるし、決済も簡便だ。

もちろん、無から有は生じないので、これらのカード利用で私が得ているメリットは、カードキャッシングをしたりリボルビング払いをしてせっせとカード会社に貢いでくれている人々から間接的に頂いているので、少々後ろめたい。

キャッシングもリボルビングもせず、店舗等の独自カードで買い物をするのが、(ラインペイカードのような高還元プリペイドカードを除けば)最強の利用方法だと私は考えている。唯一のデメリットは、カード明細だけでは一定期間の支出が一覧できないということだ。

多種類のカード利用は、金銭感覚の鈍い人には決しておススメできない。
私のような自営業者は、経費となる支出は確定申告のために領収証等が必要なので、経費とならない支出の把握もついでにできる。

最近、マネー教育の必要性が叫ばれているが、キャッシュレス社会に向けてのカードリテラシーも必須科目だと思う。

カードリテラシーが欠如していると、せっせと貢ぐ側に陥ってしまう。

もちろん、私のような初心者より遥かに上手に利用している人が多数いるだろうから、この機会にご教示いただければ幸いだ。

説得の戦略 交渉心理学入門 (ディスカヴァー携書)
荘司 雅彦
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2017-06-22

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年5月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。