こんにちは!肥後庵の黒坂です。
私は自身でネットショップを経営している立場なのですが、もちろんネットショップで買い物をすることがよくあります。先日、買い物をしていて詐欺ショップに出くわすということがありました。
今回の話は、ネットショップで買い物をする全ての人に関係するものですから、ぜひ騙されないように頭に留めておいてもらいたいと思います。
最近はパッと見で詐欺ショップとは分からない
先日、靴を買いたくてネットショップをいろいろと見ていました。目当ての靴はナイキのフライニットシューズ、あまりにもたくさん種類があったので、まずは画像検索で良さそうなものをいくつかピックアップすることにしました。良さそうなラインナップを見繕った後、その商品名でググってみたところナイキの公式サイトの他、楽天市場やAmazonに混じって靴屋さんのショップが何件か出てきました。いくつか見ていると大体相場は3万円近くです。しかし、1店舗だけ1万円ジャストで売られていたお店がありました。それも中古ではなく新品です。
私はそれを見た瞬間、ものすごい違和感を覚えました。「これはあまりにも安すぎる。異常だ。こんなに安くて利益が出るわけがない」と。見たところセールもキャンペーンもしておらず、こんな異常に安い価格が通常料金だというのです。サイトに掲載されていた商品写真もきれいで、作りもきちんとしており、パッと見てきちんとした業者に見えます。この時点で買うつもりはありませんでしたが、試しにいろいろと見てみました。
おかしい点はいくつも見つかりました。掲載されていた商品金額が変です。普通、1万円の商品の金額を表示するならば「10,000円」とか「1万円」と書くはずです。ところがそのサイトは「10000.00」となっているのです。わざわざ小数点以下を表示する意味が分かりません。そして住所入力もおかしいです。なぜか住んでいる国を入力させられるのです。ちなみに初期設定は一応「日本」となっていました。そして入力順は「国・番地・市区・都道府県」と普通の逆になっています。これは日本のショッピングサイトではありえませんよね。
気になって販売者情報を見てみました。それをみてこのサイトが詐欺ショップであることは決定的だと確信を持てました。それは次のようになっていたからです。
・電話番号の記載がない。
・住所の番地が書いていない。
・代引不可。
クレジットカード決済を受けたら、そのお金を持ち逃げして商品を発送する気などサラサラないのでしょう。試しにショップ名や会社名でググっても何も出てきません。普通、ブランド名や会社名で検索すると、レビューやメディア掲載など何かしら検索結果に出てくるのですがまったく0。
しかしこのショップ、金額表示や住所入力、電話番号や住所の記載を正しく表示しておけば、騙されてしまう人がいても全く不思議ではありません。なぜならショップのデザインや画像はとてもきれいに作られており、パッと見では普通のショップにしか見えないからです(ちなみにショップのバナー画像を検索したら他のショップからコピーしたものであることが分かりました)。一昔前は詐欺ショップといえば片言の日本語、振込先が中国人名、サイトのデザインもボロボロですぐにおかしいとわかったのですが、最近の詐欺ショップは他のサイトからデザインを盗作し、見た目だけはちゃんと作られていますから、侮れません。
最終的に私は目当ての靴をナイキオンラインショップから購入しました。
詐欺ショップを見抜くには「ググる」
ネットショップで詐欺にあった人たちはかなり多く、ちょっと検索してみると詐欺ショップに騙された人たちの怨嗟の声が山のように出てきます。
「代金を支払ったのに商品はとうとう送られてこなかった!」
「商品未着について問い合わせをしたら、ものすごくたどたどしい日本語メールで返信が一度だけ来てそれきり…」
「振込先の銀行口座名義が中国人の名前になっていたからおかしいと思ったが、すでに払ってしまい返金もされなかった」
と、こんな具合です。悪いのは100%詐欺ショップであり、購入して騙された人たちを責めることは出来ません。しかし、自衛する手段を持っておくことで、騙される可能性を減らすことが出来ます。
詐欺にあってしまう人は「1円でも安く買おう」という思考を持っており、相場から極端に安い金額でも飛びついてしまう場合があります。もちろん、安く買いたいと思うことは悪いことではありませんが、相場を逸脱している異常な価格には注意をしなければいけません。商品名や型番などでググってみると色んなショップが出てくるのですが、その中に詐欺ショップが混じっています。詐欺ショップは相場よりもかなり安い金額を出して人をおびき寄せ、お金を巻き上げているのです。私も商品名で検索して出てきた詐欺ショップの提示する価格を見て、瞬間的に「あれ?安い??」と感じてしまいました。不自然に安い価格には注意を払う必要があります。
また、買い物をする時にはそのショップが信頼出来るものかどうかを調べた方がいいでしょう。ブランド名や運営会社名で検索をして、悪評が立っているところからは買わないようにする方が良いでしょう。見た目をいくらきれいに作っていても、ネットの悪評にまで蓋は出来ませんから、決済をする前にググるようにすることです。
Googleのアルゴリズムのアップデートに期待したい
消費者が気をつけて買い物をし、詐欺ショップを警察が取り締まる以外に方法はないのでしょうか?
私はその答えの一つにGoogleの検索エンジンがあると思っています。検索結果に詐欺ショップを出すかどうか?その生殺与奪はGoogleが握っているわけですから、そうした怪しいサイトを出さないようにしてもらうことで完全に撲滅することが出来ると思うのです。
しかし、いくらGoogleのアルゴリズムといえども100%の精度ではありません。未だに商品のコピー画像をベタベタ貼り、不自然な日本語や中国人名義の銀行口座になっていて、Yahoo知恵袋などでも被害報告が出ているショップがいくつか検索に出てきます。Googleのアルゴリズムでこうしたサイトを駆逐してもらい、これ以上の被害者が出ないようこれからのアップデートに期待したいと思っています。