最近はまっている漫画、ヘルプマン!。
介護のさまざまな問題について、分かりやすく描きます。
⇒ 『ヘルプマン!』
25巻は、認知症予防編。
元宇宙飛行士の父が90歳で認知症になり、宇宙飛行や訓練と比べながら、認知症予防について理解していくという大胆な設定です。
認知症になった人に最も大切な2つを分かりやすく説明するだけでなく、
1)水分の補給
人間の体の60%以上は水でできており、そのうち1%~2%が失われると、意識障害が始まると言われています。認知症の方の多くが、脱水症状の傾向。毎日2,000 ccが目安。水を飲ませると、症状が軽くなる可能性が高いわけです。
2)プライド
相手のプライドに配慮しながら係わることによって問題行動が大幅に軽減されたり、ときには消えることもあると言います。
介護をする人(=元宇宙飛行士)の心境の変化も丁寧に描きます。
①認知症の父のことが分からない。
②認知症介護の精神的ストレスは宇宙飛行士の訓練にも匹敵する。
③地球規模の認知症問題の最重要課題は、家族のケア、専門職のサポート体勢を整えることが大切。
④その場しのぎの嘘でも、プライドを大切にした係わりなら正しい。
そして、
⑤認知症は、新たな社会創造の推進力になりうる。
「認知症が増えれば、みんなが幸せ」
⑥社会の中に認知症の方の居場所をつくる。
認知症介護の始まりは、何の準備もなく宇宙へ行くようなもの。認知症介護は本人も家族も望んだものでなく、また期限もない。人間はそういう状況に耐えられるものではないという。
だからこそ、社会の理解が必要とのこと。
とても考えさせられる漫画ですし、これから超高齢社会を迎えるにあたり、多くの方に読んでほしいと思いました。
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編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2018年5月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。