Hagexさんのこと ネット時代の人間関係をめぐって

常見 陽平

本当に、何と言っていいのかわからない。ひたすら絶句だ。週末は大阪出張で。あまりネットもチェックできず。福岡での殺人事件の報はなんとなくポップアップで見ていたのだけど。朝、羽田に戻り、Twitterのトレンドに「Hagex」が。刺された方が、Hagexさんだという説で。悪質なデマかと思ったら、事実だった。慌てて中川淳一郎に電話したところ、事実のようで。Hagexさんだったのか。衝撃だ。悲しい気持ちの前に、色々信じられないというのが率直な感情である。

Hagexさんと、直接お会いしたのは1度しかない。この3月に開催されたネットニュース関連のイベントで。休憩時間に楽屋でご挨拶したのだった。それが最初で最後だった。でも、ずっと気になる存在であり。

ネットでのやりとりがきっかけで殺されるとは、恐ろしい時代だなと思いつつ。まだ情報が足りないので、状況を見守りたいのだが、凄まじい喪失感と、いまだに誤報だったのじゃないかという想いと、そもそもHagexさんってどんな人だったのだろうということをよく知らないわけで。何か不思議な気持ちになっているというのが正直なところだ。

松本隆さんが言っていた、「点線的人間関係」という感じなのだろうか。

点と点を線で結ぶと友達になる。

だが、点でも線でもない点線のような人間関係があって。僕が昔やっていた『はっぴえんど』なんかがそうだ。

たとえばぼくと大瀧さんは、相手が生きてようと死んでようと何も変わらない点線が引かれていて、それはもう永久につづく。

(後略)
NHK SONGS松本隆45周年記念番組より 松本隆からKinKi Kidsへの手紙より

Hagexさんと私たちのつながりにしろ、犯人との関係にしろ、ネット時代の人のつながりについて考えてしまった事件だった。写真は彼からもらった名刺。エイトの中に残っていた。これもネット時代的。

合掌。

Hagexさん、天国でもネット炎上をウォッチしているのかな…。安らかに眠ってください。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2018年6月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。