サッカー日本代表は「ゆとり世代」だから強い --- 勝沼 悠

寄稿

柴崎(7)、大迫(15)ら“ゆとり世代”が支える(?)日本代表(大会公式Facebookより:編集部)

この記事を書こうか迷いながら日本 VS セネガルの試合を見ていたのですが、前半終了時の岡田武史元監督の「今までの日本チームなら点を取られるとミスしないようにと縮こまるが、今のチームは勇気がある」という解説で、この記事を書くのを決めました。タイトルのとおりです。今回のサッカー日本代表が好調なのは彼らが「ゆとり世代」だからです。

サッカー日本代表の平均年齢は28歳。今、28歳の人が中学入学した15年前は2003年ですが、狭義のゆとり教育が始まったのはその前年の2002年からなので、彼らはゆとり世代ドストライクです。ちょうど私が学校現場に入った頃です。

02年の学習指導要領の改訂では、土曜日が完全に休みとなり完全週五日制が実現し、授業時数と学習内容が減少しました。この削減によって“ゆとり世代”と揶揄されるわけですが、この時、もう一つ大きな変更がありました。それは「総合的な学習の時間」、いわゆる総合という科目の新設です。総合の時間では座学ではなく、自分で考えることを重視します。テーマを決めて調べてまとめて発表するという活動が行われています。それ以前の世代には馴染みがないですが、ゆとり世代以降は調べ物学習、発表を多く経験しているのです。

サッカー日本代表はゆとり世代。このことを意識したのはハリルホジッチ監督解任の時でした。どちらかというと選手の自主性より指示を押しつけるハリルホジッチ監督と選手たちが合わず、(時間がないせいもあるとは思いますが)選手の自主性を重んじる西野朗監督で結果が出ているのは選手達が自分で考える経験を多くしているゆとり世代だからと考えると納得できます。指示に従うだけでなく、自分で考える。前半終了時の岡田監督の解説で今の日本代表を勇気があると評したのもこの自分で考える力が関係しているように思えます。

ゆとり世代は自分で考えることを重視した教育で育った世代です。この自分で考える力が、ワールドカップという大舞台でのサッカー日本代表の土台になっている。と、ここまで書いたところで試合が終了しました。二度に渡り追いついた日本代表の勝負強さ、精神力はやはり自分で考える力の教育、ゆとり教育から来ていると思わずにはいられません。

勝沼 悠   専門健康心理士
桜美林大学大学院修了後、15年に渡りスクールカウンセラー、教育相談員など、教育現場や医療現場で心理職として働いています。