賃貸住宅経営のキモはゴミを出させないアパート管理にある

尾藤 克之

画像は書籍書影(筆者撮影)

不動産投資ブームが到来して何年が経つだろうか。最近は、高家賃のデザイナーズアパートに注目が集まっている。間取りが均一なハウスメーカーの物件や中古の築古アパートではなく、施工費用が高いと言われる新築デザイナーズ物件がなぜ人気なのか。そこには、高家賃でも入居希望者が後を絶たないノウハウが存在した。

今回は、『高家賃でも空室ゼロ!これからの不動産投資は地方の新築デザイナーズアパート』(秀和システム)を紹介したい。著者は、ファイナンシャルプランナー、賃貸不動産経営管理士の大城幸重さん。2017年現在、東京、京都、北関東、海外などの国内外に不動産、9棟35室、太陽光発電所10基を所有する。

ゴミだらけになると解決は難しくなる

大城さんは、高校時代から賃貸住宅経営に携わり、祖父が作った古いアパートの清掃、物件と周りの草むしり、家賃回収などの業務をこなしてきた経験がある。

「私が学んだのが、『ゴミを出させないアパート管理』の大切さです。それを痛感した、ある祖父の物件でのエピソードを紹介しましょう。当時のそのアパートの周りは、砂利敷きやアスファルト舗装ではなかったため、草を抜いても抜いても、すぐに草が生えてきてしまい、いつも周り中に草が生い茂ってしまっている状態でした。」(大城さん)

「周りがそんな見苦しい環境だったので、入居者の方も平気で家の外に粗大ゴミを出します。『ゴミを出さないようにしていただけますか』と何度も何度もお話をするのですが、その度に『周りも草ぼうぼうだから、少しくらいゴミがあってもいいだろ』と言い返され、いっこうにゴミは片付きませんでした。」(同)

仕方がないので、大城さんが片付けることになる。しかし、間もなくすると、またゴミが出されてしまう。このようなことが繰り返されていた。

「その入居者はある日『退去します』の一言だけ残して部屋を出ていってしまったのですが、退去された後も大変でした。アパートの周りだけでなく、玄関先にまでゴミが放置されたまま、部屋のいたるところに荷物が溢れかえっていたからです。当然ながらそれらを処分するのに大変な労力と費用がかかってしまいました。」(大城さん)

「この経験がきっかけとなり、私は新しいアパートに建て替える時には、アパートの外や中にゴミを出されないような、環境作りを考えるようになったのです。」(同)

アパートと周辺は日頃から掃除せよ

では、具体的にどうすればいいのか?これは、徹底したゴミ拾いしかない。賃貸物件や周辺にゴミなどが散乱しているとアパートの美観を損なうことになる。

「私は日頃から、自分の物件だけでなく、周辺道路に落ちているゴミなども拾っています。ゴミ捨てをするついでに、ビニール袋を1つ持ち、周辺に落ちているゴミを拾って、最後に、ゴミステーションに捨ててくるわけです。それほど手間でもないですし、通りがかりの人に科『えらいですね』と声をかけられることもあります。」(大城さん)

「草むしりも大切です。雑草というのは、本当に強い植物で、どんどん生えてきます。ですから、私は5月の連休明けくらいに第1回目の草むしりをやって、それから毎月除草剤を撒きつつ必要に応じて草むしりをやっています。」(同)

ところが、除草剤は健康に悪影響があるし、業者に依頼すると費用がかかる。防草シートも時間が経過すれば露出するので長持ちはしない。

「いろいろ試した結果、私はホームセンターで売っている固まる土『まさ王』(株式会社テラダ)を使っています。土の上に敷いて上から水を撒くだけで、舗装されたように土壌表面が硬化します。アルカリ性土壌になるので、草が生えにくくなるそうです。誰でも簡単に施工できますしリーズナブルで、薬剤の影響も無いので安心です。」(大城さん)

本書は、アパート経営の基本を網羅的に理解できる一冊といえる。素朴な疑問を感じたら、まずこの本を読んでもらいたい。アパート経営の三方良し「貸し手よし、借り手よし、世間よし」の本質が理解できる。あなたも大家さんになれる?

尾藤克之
コラムニスト