検察によって公文書改竄問題に対する法的判断が示され財務省内の処分が行われた流れの中で、安倍政権の内閣支持率は回復する傾向にあります。また自民党の政党支持率も顕著な回復が認められ、2018年6月のANN世論調査における各政党の政党支持率および前月からの増減は次のような結果になっています。
政党支持率(2018年6月 ANN)
自民党 47.7% (+6.3%)
公明党 3.0% (-1.1%)
維新会 1.1% (-0.5%)
立民党 11.2% (-4.0%)
国民党 1.5% (+0.0%)
希望党 0.2% (-0.5%)
共産党 3.0% (-2.7%)
自由党 0.2% (-0.2%)
社民党 1.1% (-0.2%)
他支持 0.7% (-0.5%)
その他 30.3% (+3.4%)
※括弧内は前月からの増減
この結果を見ると、自民党の政党支持率だけが大幅に上昇し、立憲民主党をはじめとする野党の政党支持率は軒並みダウンしています。
ここで、もう少し長期的な視点に立って政党支持率の変化を眺めてみたいと思います。昨年から内閣支持率が下落する誘因となった事案として森友学園問題・加計学園問題・財務省公文書改竄問題の3つを挙げることができます。これらのスキャンダルの発覚に伴って野党(日本維新の会を除く)とマスメディア(産経新聞を除く)は政権および自民党を徹底的に【人格攻撃 ad hominem】しました。このことによって、確かに政権及び自民党の支持率は一時的に下落しました。しかしながら、このことが、政権及び自民党の回復不能な支持率低下と野党の恒常的な支持率上昇につながったかと言えば答えはNOです。次の表は3つのスキャンダルの発覚直前の政党支持率と現在の政党支持率を比較したものです。
自民党の政党支持率はスキャンダルの前後でほとんど不変である一方、野党の支持率は先細るばかりと言えます。野党の支持率の減少分は無党派層の増加分となり、さらに一強多弱の状況が進展したと言えます。
このような客観的事実から【人格攻撃】を中心とするスキャンダル追及は国民からの支持を減らすばかりであり、政党にとって何のメリットもないと言えます。しかしながら野党は依然として政権に対する【人格攻撃】のストラテジーを変えることなく、さらに深化させていると言えます。なぜ野党は経験に学ぶことなしに絶望的な【人格攻撃】を続けるのでしょうか。それは、すでに野党が「人格攻撃依存症」と呼ぶに相応しい【障害 disorder】に陥っているためと考えられます。
このような政権に対する野党の【人格攻撃】の常習化については、[過去記事]において「中毒」「依存症」といった病理のアナロジーとして詳述しましたが、この記事においては、さらにステージが進んだ現在の野党の【人格攻撃】について、再び【行動心理学 behavioral psychology】および【臨床心理学 clinical psychology】の見地から分析してみたいと思います。
人格攻撃とは
人間の【個性 individuality】を支配するのは【人格 personality】【性格 character】【気質 temperament】の3特性です。【人格】は後天的に培われてきた特性、【性格】は先天的に刻み込まれた特性、そして【気質】は外部からの刺激に対して反応する特性をそれぞれ意味します。これらの特性は心理学的には明確に区別される一方で、しばしばこれらをまとめて【人格】と慣用的に呼ばれています。
【人格攻撃】とは、言説の論者の【人格(広義)】が「悪い」ことを根拠にして言説の【論理 logic】を否定する【論理的誤謬 logical fallacy】です。人格の主体は、個人の価値観に基づく規範である【倫理 ethic】であるため、【人格攻撃】は主として攻撃対象の【倫理】を攻撃することになります。すなわち、【人格攻撃】とは、情報受信者に対して、【論理】で構成される言説の【真・偽 true/false】を、論者の【倫理】、すなわち【善・悪 good/evil】で判断させるようにすり替える【情報歪曲 distortion】の手法です。物事の【真・偽】と【善・悪】は無関係であることに注意する必要があります。
【人格攻撃】をする側が攻撃対象の【倫理】を攻撃するにあたっては、攻撃側の【倫理】を「絶対的な善」として攻撃することになります。残念なことに、普遍的な規範としての【倫理】はまだ発見されていないため、その価値観は個人の価値観に委ねられることになります。このため攻撃側が都合よく【善・悪】の規準を設定することができるのです。つまり、【人格攻撃】は、自分勝手な【倫理】を振りかざすことによって、誰にでも簡単に行うことができる攻撃であると言えます。根拠なく攻撃対象の【悪口 name-calling】を言うこと自体、立派な【人格攻撃】です。
【人格攻撃】は、簡単に【論理的誤謬】として認定できる一方で、難解になりがちな【論理】とは異なり、誰にでも簡単に理解できると同時に、誰もが求める「正義(善)」を振りかざすものであることから、メディアリテラシーを持たない情報弱者が飛びつきやすい言説であると言えます。情報弱者の中は、周囲に存在感を示すために時事問題に対する賛否を表明したがる人が少なくありませんが、【人格攻撃】はこのような人々に安易な根拠を与えてくれることになります。見識のないワイドショーの司会者やコメンテイターが人格攻撃に走るのもこのためです。何となく悪そうな【スケイプゴート scapegoat】を造ってはその人格を批判するというワイドショーのビジネスモデルは日本の大きな病巣の一つと言えます。
そして、最も深刻なのが、このワイドショーのビジネスモデルを政治の世界に持ち込む野党議員の存在です。何の見識もなく政策議論もできない野党議員にとって唯一の活路は【人格攻撃】に尽きると言えます。このような例は掃いて捨てるほど存在します。例えば、厚生労働委員会において、柚木道義議員・山井和則議員は、質問時間の最初から最後まで首相や大臣の人格を絶叫しながら徹底的に否定するのが常です。国会対策を行っている辻元清美議員は、毎日のようにテレビに向かって政権に対する悪口コメントを残します。蓮舫議員・山尾志桜里議員は、ブーメランを恐れることなしに【ダブルスタンダード double standard】で政権与党を極悪人のように罵ります。このように敵を作って批判することで人気を得る手法はいわゆる【ポピュリズム populism】に他なりません。
人格攻撃のパターン
政権与党に対する野党の【人格攻撃】のメソッドにはいくつかのパターンがありますが、代表的なものは次の3パターンです。
(a) 閣僚・与党議員の発言・行動に対する攻撃
野党はしばしば閣僚や与党議員の国会内外における「発言」「行動」を問題視し、国会審議において当事者に対する倫理の追及や首相の任命責任の追及を行います。
例えば、記者会見において麻生大臣が「セクハラ罪という罪はない」と一言発言すると、「あたかもセクハラが悪いことではないという開き直りにしか聞こえない。国民にセクハラ罪というものはないので裁判にならない限り大丈夫だととられかねない(尾辻かな子議員)」などと悪意を持って発言の趣旨が曲解され、国会審議で批判されることになります。また、台風10号の被災地視察に訪れた務台俊介内閣府政務官が、長靴を履いていなかったために政府職員におんぶされて水たまりを渡った行為が「おんぶにだっこの安倍政権を体現している(大串博志議員)」などとして、まるで極悪人のように国会審議で糾弾されました。
当然のことながら、国会は法案を審議する場所であり、閣僚・与党議員の【人格】を糺す場所ではありません。このような審議は、国民の利益とはかけ離れたものであり、審議の遅延による法案成立の妨害および政権の支持率低下を目論む【論点回避の誤謬 red herring】に他なりません。
(b) 法案の短所に対する攻撃
世の中の多くの事案はトレードオフの関係にあり、一つの法律が森羅万象に対して万能であるとは限りません。例えば道路交通法で認可されている自動車は、生活にとって非常に便利なツールであり、人命救助にも大きく貢献していますが、ときに事故による死亡者も発生します。それでも自動車の走行が法律で認可されているのは、主権者である国民が自動車事故の一定のリスクを許容しているからに他なりません。このように法律には長所と短所があり、常に包括的な視点でバランスを評価することが重要ですが、野党議員の国会質問にはこの短所のみに着目して法案提出者である政府の倫理を問うケースが極めて多発しています。
例えば、働き方法案に対して「高プロを削除しなければ必ず死者が出る(山井和則議員)」とする言説は「自動車の走行を認可すれば必ず死者が出る」と言っているに等しい暴論です。現在、世界の中で日本経済が大きく後退している大きな要因として挙げられているのが日本企業の労働生産性の低さですが、その対策として、高プロのようなジョブ・ディスクリプション制を進めることは急務であると言えます。今回の働き方改革は、いかに短時間で効率的に仕事を完成させるかを追及する社会を明らかに目指していて、その骨子である、国民の大部分を占める一般労働者に対する「残業規制」や同一労働同一賃金に向けた「非正規労働者の処遇改善」といった岩盤規制の打破も、ジョブ・ディスクリプション制を目指す一環であると考えられます。そんな中で野党は、高プロの残業規制が緩いことを根拠にして「安倍総理は残業代を払わずに残業をさせ放題の国を作りたい(山井和則議員)」なる破天荒な暴論で政権を【悪魔化 demonization】しています。ちなみに、高プロ制度にも概ね常識的な残業規制は存在します。また高プロ制度で契約するかしないかは、労働者に選択権があります。貴重な技術やスキルを持っている労働者は、使用者が提案する契約条項を受け入れられない場合には、通常の契約を選択することができるのです。
当然のことながら、国会は法案を審議する場所であり、法案提出者の【人格】を糺す場所ではありません。法案の全体像や改善のポイントに触れることなく、過労死家族を利用した【感情に訴える論証 appeal to emotion】によって、100%法案に反対するのみのスタンスを貫いている野党の行動は極めて不合理です。
(c) 国会審議の運営に対する攻撃
野党はしばしば理不尽な【人格攻撃】を行って国会審議の進行を阻止します。もっとも多用されるのは、政権与党に対して「独裁政権」「捏造・隠蔽政権」「嘘つき政権」「男尊女卑政権」「セクハラ政権」等の言葉で【レッテル貼 labeling】を行った上で、「国民に対する暴挙が続く政権与党と法案を審議するわけにはいかない」として審議を拒否することです。法案の担当大臣に対しては、答弁すると国民に誤解を生むような発言を引き出す挑発質問を繰り返し、担当大臣がその罠に誘導されないよう正確に答えると、「説明できていない」「無能」というようなレッテルを貼ります。さらには、本質をついた合理的質疑がほとんど皆無であるにもかかわらず質疑の継続を要求し、いざ採決となると、「強行採決」「民主主義の終焉」「立憲主義への冒涜」などというお決まりの発言で政権与党を【悪魔化】します。
特に最近の野党の行動は支離滅裂そのものであり、主張の矛盾が極めて大きい状況になっています。2018年4月、国会で重要課題が山積する中、野党はモリカケ問題の徹底審議を要求していましたが、財務事務次官のセクハラ問題が浮上すると、麻生大臣の辞任他4項目を要求し、国会をいきなり18連休する暴挙に出ました。5月になって国民からの批判が強まると正当な理由もなく審議拒否を撤回して審議に復帰した野党ですが、与党から働き方法案の採決が提案されると、今度は十分に審議が行われていないことを理由に採決を拒否しました。自ら勝手に審議拒否しておいて審議が十分でないと与党を批判するのは極めてセルフィッシュですが、その後に与党が国会会期延長を提案すると、「会期内に法案を成立させるのが政府・与党の責任である。悪法を通すための会期延長は認められない(道下大樹議員)」との理由で、十分に審議できる機会である会期延長を自ら拒絶しました。さらに会期の延長が決まると、今度は「加計孝太郎理事長の証人喚問が実現しなければ審議に復帰しない」と言い出しました。このように野党の行動は極めて理不尽と言えますが、野党に言わせれば、「悪いのは与党(泉健太議員)」であり、「極めて身勝手なもの(大串博志議員)」ということになります。
当然のことながら、国会は法案を審議する場所であり、関係者の【人格】を根拠に法案の審議を拒否する場所ではありません。民主主義の手続きを破壊する野党の【引き延ばし stalling】行動は極めて深刻です。
人格攻撃を正当化する善悪二元論
意識的であれ無意識であれ、【人格攻撃】を野党が際限なく繰り返し使っている行動から帰納的に推論すれば、野党は、古代ゾロアスター教に見られるような【善悪二元論 the dualism of good and evil】を行動原理にしているものと考えられます。明らかに野党議員は「【内集団 in-group】である野党は【善】の存在であり、その言説は常に【真】である」とする一方で「【外集団 out-group】である自民党は【悪】の存在であり、その言説は常に【偽】である」とする【偽原理 non-sequitur / it dosen’t follow】を信仰しています。この暗黙理に設定された野党=【善】=【真】、自民党=【悪】=【偽】なるステイタスによって、野党の議員は臆することなく【人格攻撃】を続けているものと考えられます。
このような異様な行動原理を持つ野党は、もはや論理を駆使してベストな法案を作り上げるというミッションを持つ【政党 political party】としての体をなしておらず、過激な【倫理】を信仰する一種の【カルト cult】と化しているものと考えられます。そして、ビリーフが熱狂的である分、想定する【悪】に対する追及においては、極めてヒステリックで威圧的な「罵倒」が展開されます。【カルト】の行動原理においては「嘘も方便」「愛国無罪」と同じように、聖なる目的を達成するためであれば【人格攻撃】も正当化されるのです。
そんな中、間違いなく最も不幸なのは主権者である国民です。「この世に悪が栄えたタメシはない。正義の味方の野党は、世の中を悪くすることに夢中な政権が滅びるまで戦い続ける。」といった出来の悪い「勧善懲悪ドラマ」を国会審議を通して強制的に見せ続けられている国民は、本当にたまったものではありません。
人格攻撃の乱用と依存
野党のような【人格攻撃】一辺倒の国会戦略は、けっして新しいものではなく55年体制の日本社会党にそのルーツがあると言えます。政権与党に対して、「ダメなものはダメ」という【トートロジー/同語反復 tautology】で【人格攻撃】を行った土井たか子元社会党委員長、そして一貫して朝鮮半島の日本に対する世論を代弁する形で【人格攻撃】を行った福島瑞穂元社会民主党党首はその典型例であるといえます。この55年体制の負の遺産を継承したのは、実現不可能なマニフェストを根拠にして政権与党を【人格攻撃】した鳩山由紀夫元民主党代表やノイジーマイノリティーの政治運動とシンクロして政権与党を【人格攻撃】した菅直人元民主党代表です。かくして、民主党が【人格攻撃】の総本山となり、その末裔が現在の野党の核になっているものと言えます。
ここで注目する必要があるのは、民主党以降の野党の【人格攻撃】が恐ろしいまでに常態化しているということです。国会の本会議や委員会における質疑応答、執行部の定期会見、そして個別の事案に対する野党ヒアリングにおける中心の話題は、政策の議論ではなく、ほとんどが政権与党議員への【人格攻撃】です。このような病的な状況は、まさに以下に示すような【アディクション/嗜癖(しへき) addiction】の症状であるといえます。
【アディクション】とは、特定の刺激を絶えず求めてしまう【障害】のことです。【アディクション】には、アルコール・薬物等の物質を求める【物質嗜癖 substance addiction】とギャンブル・買い物等の行動を求める【行動嗜癖 behavioral addiction】がありますが、このうち、野党が陥っているのは【人格攻撃】という行動を求める【行動嗜癖】です。
【アディクション】の形態には【乱用 abuse】と【依存 dependence】があります。これらのメカニズムについては、行動心理学の観点から簡単に説明できます。
人間は、ある行動をした後、その行動によって【好子 reinforcer】と呼ばれる「好きな刺激」あるいは【嫌子 punisher】と呼ばれる「嫌いな刺激」が、【強化 reinforcement】あるいは【弱化 punishment】されることを学習します。そして、この学習で得られた4種の【行動随伴性 behavior contingency】から行動の頻度を決めることになります。
【正の強化 positive reinforcement】→【好子】出現によって行動頻度が増加する
【負の強化 negative reinforcement】→【嫌子】消失によって行動頻度が増加する
【正の弱化 positive punishment】→【嫌子】出現によって行動頻度が減少する
【負の弱化 negative punishment】→【好子】消失によって行動頻度が減少する
このような【行動随伴性】に支配される行動を【オペラント行動 operant behavior】といい、その行動原理を【オペラント条件づけ operant conditioning】といいます。
【乱用】と【依存】はいずれも【禁断症状 withdrawal】を伴いながら特定の刺激を強く欲する【オペラント行動】であることが知られています。このうち【乱用】は、「好きな刺激」を得る、すなわち【好子】の出現により行動頻度を増やす【正の強化】行動です。一方、【依存】は、禁断症状という「嫌いな刺激」を消す、すなわち【嫌子】の消失により行動頻度を増やす【負の強化】行動です。
このような【アディクション】のメカニズムにおいて、野党にとって好きな刺激である【好子】は、野党支持率の上昇あるいは内閣支持率の下降であり、嫌いな刺激である【嫌子】は、野党支持率の下降あるいは内閣支持率の上昇であると言えます。野党が異常なまでに絶え間なく政権与党の【人格攻撃】を行っているのは、「短期的に野党支持率の上昇と内閣支持率の下降」を得るための【乱用】と「短期的に野党支持率の下降と内閣支持率の上昇」を消すための【依存】の【行動】を起こしているためと考えられます。
一般的に、【乱用】は【アディクション】の初期に発生する【行動】であり、【依存】は【乱用】が進行して発生する【行動】です。これらの【行動】は基本的に【障害】であり、【乱用】のみが認められる場合には慣用的に「中毒」と呼ばれ(医学の専門用語としての「中毒」とは異なります)、これに【依存】が加わったものは「依存症」と呼ばれます。【乱用】と【依存】を伴う野党の【アディクション】はまさに「人格攻撃依存症」と言えるかと思います。
いずれにしても、【乱用】および【依存】は、直面する現実からの逃避であり、【社会的不適合 social incompatibility】を引き起こす可能性が高いと言えます。
末期段階にある野党の人格攻撃依存症
通常、依存症は、(1)乱用期、(2)乱用-依存移行期、(3)依存初期、(4)依存中期、(5)依存末期というプロセスをたどります。ここで野党の人格攻撃依存症の進行度合を【アディクション】の各段階の特徴的な行動と比較して分析してみたいと思います。
(1) 乱用期
野党の【人格攻撃】は、社会党のマドンナブーム、日本新党・新生党他の政権交代、民主党政権交代時に大きな成功をおさめました。自民党政権を【人格攻撃】すればするほど、野党の支持率が上昇し、自民党政権の支持率が下降するという現象が発生しました。すなわち【好子】の出現による【正の強化】としての【乱用】が行われてきたわけです。一般に【乱用】の時期には自らを統制することができ、実際に日本新党および民主党は、政権交代が実現すると、インセンティヴのない自民党に対する【人格攻撃】を封印するに至りました。
(2) 乱用-依存移行期
政権交代が失敗に終わり、下野に至った民主党は再び【人格攻撃】を再開しました。参議院選挙で惨敗し、特定秘密保護法案が審議される頃には、【人格攻撃】を繰り返し、内閣支持率を一定程度下げることに成功しました。しかしながら、第一次安倍政権・福田政権・麻生政権で観測されたような右肩下がりの内閣支持率の低下は発生せずに、イヴェント通過とともに内閣支持率がリバウンドする傾向が同時に認められました。この【嫌子】の出現に焦燥感が生まれ、【嫌子】消失のための【人格攻撃】の回数が増えていきます。ここに【負の強化】のための【依存】が始まることになります。
(3) 依存初期
安保法案の国会審議が行われるようになると民主党の【人格攻撃】は日増しに頻度が増加し、その内容も過激さを増しました。採決時にはプラカードを持って暴れたり、自民党の女性議員を押し倒す暴行を働くなど常軌を逸した行為が目立つようになりました。このときにはマスメディアの偏向報道もあり内閣支持率が大きく下落しましたが、法案成立の時点から内閣支持率がリバウンドを始まると、スキャンダル探しとその追及に躍起になり、【嫌子】消失のための【人格攻撃】を本格的に繰り返すようになりました。
(4) 依存中期
民主党が民進党と党名を変えた2016年前半は山尾政調会長、2016年後半は蓮舫代表による安倍首相に対する極めてヒステリックなピンポイント【人格攻撃】が始まりますが、それぞれ「ガソリン疑惑」と「二重国籍疑惑」が発覚したため国民からの支持を得られず、内閣支持率は上昇を続けました。【ダブルスタンダード】などお構いなしの【人格攻撃】は、依存中期に特徴的な「手段を選ばない快楽の取得」の表れと考えられます。この【ダブルスタンダード】はブーメランとなって民進党に襲いかかりました。やがて、衆議院選挙の公示に伴って党は崩壊し、分裂することになります。これも依存中期に特徴的な「家庭崩壊」に対応するものと考えられます。
(5) 依存末期
衆議院選挙で大敗した野党の【人格攻撃】への【依存】はもはや制御不能なレベルに達し、モリカケ問題を通して、幻覚とも言えるような妄想で政権与党を批判するようになりました。これはこの時期に特徴的な【離脱症状】と言え、追及のネタが無くなると【悪魔の証明】を要求し、妄想が否定されると「疑惑はさらに深まった」などとしてエンドレスに【人格攻撃】を続けています。常軌を逸した異常行動も日常茶飯事となり、国会審議で叫びながら泣き始めたり、官僚を会議室に呼びつけて集団で罵りまくったり、プラカードを持って財務省内でデモを行ったり、18日間にもわたり国会の審議拒否したりしています。その結果、野党各党の政党支持率は空前の落ち込みを見せていて、社会的信用を見事に失っています。
このように他者を傷つけながら、絶望的に自分自身が蝕まれていくことが、依存症の本当の怖さと言えます。野党が壊れていくことは野党の勝手ですが、国政を巻き添えにして国民に迷惑をかけるのはやめていただきたく思います。
人格攻撃依存症の治療
人格攻撃依存症は治療可能です。治療方法はシンプルであり、先に示した【行動随伴性】のうち【正の弱化】あるいは【負の弱化】を行えば、【人格攻撃】をするインセンティヴがなくなるため、【乱用】【依存】は解消に向かっていきます。具体的には、野党が【人格攻撃】を行ったときに、国民は次のような行動を実行することが重要です。
【正の弱化】:野党支持率を下降させる、あるいは内閣支持率を上昇させる
【負の弱化】:野党支持率を上昇させない、あるいは内閣支持率を下降させない
つまり、野党の人格攻撃依存症を治療するには、【人格攻撃】を許容しないことを示す国民の明確な意志表示が必要であるということです。そもそも、国民には野党を治療する責任があります。野党の異常な【人格攻撃】を許容してきたのは紛れもなく国民であり、一部国民による野党の【人格攻撃】への不合理な支持が、人格攻撃依存症を発症させる主要因となったと言えます。
もちろん末期段階まで進行している依存症の治療は簡単ではありません。【人格攻撃】に異常な興味を持つと同時に快楽を感じ、制御不能となっている野党は【人格攻撃】をやめたくてもやめられない状況にあります。国民民主党・玉木雄一郎代表は2018年5月末の党首討論でモリカケの質問を封印しました。インターネット上では、そのようなスタンスに対して賛同する意見が多くあり、【正の強化】が行われました。しかしながら、それも束の間、国会の会期延長に際して、国民民主党・泉健太国対委員長は与党を【人格攻撃】すると同時に加計理事長の証人喚問を要求するなど、依存症の解消を見事に裏切る発言をしたと言えます[youtube]。
人格攻撃依存症を克服するには、まずは個々の野党議員が、我が身を人格攻撃依存症が蝕んでいることを認識する必要があり、その上で【認知行動療法】【アンガーマネージメント】【集団精神療法】等のプログラムを集団で受講することが必要であると考えます。
なお、国民の選択肢としては、【人格攻撃】を続ける野党の再生を悠長に待つという選択肢だけでなく、選挙時に一気に現在の時代遅れ野党を壊滅させるという選択肢もあります。ちなみに私はそれがベストだと思っています(笑)
編集部より:この記事は「マスメディア報道のメソドロジー」2018年6月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はマスメディア報道のメソドロジーをご覧ください。