1.政治リーダーが被災者に寄り添うのは当然
西日本の豪雨では、広島、岡山などで現時点でも176人が犠牲になり、今も捜索と救助活動が続いています。亡くなられた方々のご冥福をお祈りし被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。そして救助と復旧に尽力下さっている自衛隊、消防、警察、行政、自治会、ボランティアの皆様に感謝を申し上げます。
自民党の杉田水脈衆院議員が「被災現場に出向く政治家」を「邪魔になるだけ」「足手まとい」とツイートしたことについて、私は、それこそがパフォーマンスだと批判しましたが、言うまでもなく議員個人を批判したいのではなく、そうした心無い発言に被災地の議員の一人として異議を申し立てた次第です。
政治リーダーが被災者に寄り添うのは当然です。それが救助や復旧の助けになるか足手まといになるかは、その政治家の器量の問題です。本日午前、安倍総理が岡山県に入られ避難所を訪問されましたが、これも「邪魔になるだけ」でしょうか。私は、被災者に勇気を与える総理の行動に敬意と感謝を表します。
2.赤坂自民亭と同じ夜に立憲民主幹部も祝宴
結局、政治家同志のレベルの低い非難の応酬は、国民の政治不信を高めるだけです。野党やマスコミは5日の「赤坂自民亭」を批判しますが、それを言うなら、同じ夜に立憲民主党の枝野幸男代表、辻元清美国対委員長ら幹部が勢ぞろいして杯を重ねた「感謝の集い」は、どのように言い逃れするのでしょうか。
そもそも正確に振り返れば、5日夜の時点で、そうした宴会をすべて中止すべきと判断できる状況にあったかと言えば、そうではありませんでした。私自身は、翌日6日の新幹線の運行リスクを重視し5日夜のうちに帰阪しましたが、赤坂自民亭に参加した府連会長や地元代議士を批判するつもりはありません。
国民が政治に求めているのは、そうした足の引っ張り合い、印象操作、スキャンダルでもない「李下の冠」を執拗に問い質すばかりの政治ではないはずです。むしろ、どうすれば国民の生命と財産を守ることができるのか、人口減少時代に荒廃する森林をどう守りインフラを維持するのか、議論すべきなのです。
3.自治体首長のの賢明な判断と行政各部に感謝
今回の豪雨災害で特記すべきことの一つは、防災に責任を有する自治体首長の賢明な判断と指揮です。例えば、大阪では6日夜、吉村洋文市長が他の府県に先駆けて消防局指揮支援隊を出動させ、大阪府大隊(統合機動部隊)の集結が完了し広島に向け出動したのは、山口県大隊の出動より早かったくらいです。
別に競争しているわけではありませんが、大阪府市の対応が迅速だった背景には、知事や市長率いる行政各部に、関西そして西日本の安全安心は自分たち大阪が担うんだという意識と責任感が、府市統合本部や副首都推進本部の取り組みを通じて日頃から醸成されてきた結果ではないか、私はそう考えています。
過去の災害を教訓として対策を取ってきた地域とそうでない地域とで住民の生命と財産を守るという一点でも明暗が出でしまいます。残念なことですが、だからこそ政治が大切なのです。今も現場で尽力下さっている皆様に感謝しつつ、永田町で政争に明け暮れるバカどもには改めて反省を促さねばなりません。
編集部より:この記事は、衆議院議員・足立康史氏の公式ブログ 2018年7月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は足立氏のブログをご覧ください。