こんにちは!肥後庵の黒坂です。
肥後庵は佳境を迎えています。お中元シーズンで毎日スイカやメロンを中心に大量に入荷、出荷をしています。多い時はスイカとメロンだけで一日3,000玉以上出しており、狭い会社で人が走り回っています。
人手が足りず、社員、アルバイト、派遣を採用するために面接もやっています。面接をする時にはお茶を出しているのですが、スタッフが「どうぞ」とお茶を勧めてもまったく飲まないで帰る人が続いたので「あれ?」と思ったら話の途中で私が「どうぞ」と飲むことを勧めるのを忘れていたことに気付きました。また、他にも不思議に思うことがあって、PCが得意な応募者が履歴書や職務経歴書をわざわざ手書きで出してくるのです。
今回は行き過ぎたマナーってむしろマナー違反じゃないか?というテーマを取り上げたいと思います。
マナーを守ることが目的化していないか?
笑うメディア、クレイジーに面白い記事がありました。【勧められるまでお茶は飲んじゃダメ!?】 もう時代遅れだと思うビジネスマナー10選というタイトルで日本企業における行き過ぎたマナーを漫画で面白く紹介しているのです(イラストは同記事より引用)。
どれもものすごくよく理解出来る「やり過ぎマナー」です。そもそもマナーとは「これって人によって良い悪いの認識にばらつきがあるけど、人間関係を円滑にするためにも社会全体でルールとして決め、共有したほうが良くない?」というものです。
うまく機能しているマナーとは、例えば電車の乗り降りを考えた場合、降りる人が先で、乗る人はドアの前を空けておく、などです。破ると罰則を受けるわけでは「法律」ではありませんが、やらないと気分を害する人が出てくるのですから守ったほうがいいじゃないですか。
でもそれが行き過ぎると「マナーを守ることが目的化」してしまうわけです。目的はあくまで周囲の人が快適に、気持ちよく過ごせるためのものであるはずです。それを上述したクレイジーというサイトで漫画にしているわけです。下記にご紹介します。
客先で出されたお茶は、勧められるまで飲んではならない
お茶を出されているということは、飲むために出されているわけで、決して鑑賞するためや出すことそのものに意味があるわけではありません。特に暑い日に面接や取引先と話をする時には、喉を潤してハキハキとしゃべるためにもお茶を飲んだ方が円滑に話が進むでしょう。
秘書が「どうぞ」とお茶を差し出しても、目の前の対応してくれる人が「どうぞ、飲んで下さい」と言わないと飲んではいけない、というマナーは私からすると「お茶くらい何も言わなくても好きに自分のペースで飲んでくれ」と思うんですよね。面接の場などで、
応募者「飲んでいいのか?ダメなのか??やっぱりマナー違反かな??」
面接官「あれ?なんでこの人お茶出しているのに飲まないんだろう?俺、どうぞっていったっけ??」
といったどうでもいい心理戦をやることは誰にもビジネスメリットがありません。私は「あ、こいつ勧めてないのにお茶飲みやがった。はい、マナー違反ね」と無言で減点するような人とはお付き合いをしたいと思えません。
履歴書や職務経歴書の手書きはムダ
履歴書や職務経歴書を見る側に立って分かったことは、データでもらえるのが一番ありがたいということです。
履歴書や職務経歴書は重要書類ですから、紙だと取り扱いがかなり面倒です。保管場所や破棄する場合もかなり気を使います。その点、データで受け取る場合は物理的な取り扱いの煩わしさから開放されます(もちろん個人情報の含まれたデータの取り扱いには細心の注意を払うのは言うまでもありません)。また、履歴書や職務経歴書の字の綺麗さなどでは見えない「その人となり」がデータではハッキリと現れます。
履歴書をExcelで受け取ると、志望動機を備考欄に書くなど入力箇所がおかしかったり、罫線がぐちゃぐちゃのまま送られてくることがあります。社会経験があまりない若い応募者なら理解できなくはないですが、事務経験がありITスキルがありますとPRする応募者がこの出来栄えで送ってくるのでは注意が必要です。書類の体裁をおざなりにする応募者はあまり雇いたくありません。
入社した後に「罫線はきれいに揃える」「外に出す書類の入力箇所を間違えないように注意してね」という基本的な指導を行う必要があるからです。手書きなどより、データで出してもらう方がその人の性格やOAスキルがハッキリと見えるのです。
また、応募者にとっても受かるかどうか分からない会社への応募に、わざわざ手書きで履歴書や職務経歴書を書く負担はかなりの大きさです。そんなことにエネルギーを使うくらいなら、応募書類の内容をしっかりしたものにするなどに時間と労力を割くべきだと思います。
相手が見えなくなるまで頭を下げ続ける必要ある?
これもお茶と同様にやる側もやられる側も迷惑なマナーです。
私は過去に会社員をやっていた時代にこの経験をしたことがあります。取引先にいって退社をする時に、「ありがとうございましたー!」とフロア全員が立って見送りをした会社がありました。もう一度担当者に確認したいことを思い出し、本音としてはその場で聞き直したかったのですが、フロアのスタッフはみんな頭を下げたままです。これをされると早く立ち去らないとお辞儀をする人に負担をかけてしまうと思い、「まあこの件は後でメールで聞こう」とその場で確認することを諦めてしまった経験があります。
まだまだ他にも気になるものはあります。印鑑の押し方とか、名刺の取り扱いとか行き過ぎたマナーの存在は本来の対話の内容などに集中できない弊害ですらあると思っています。時代は変わっていますから、どうでもいいマナーはさっさと撤廃して快適に過ごしたいものです。
黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表
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