あまりにもひどい、自民党の参院「6増案」の採決強行

玉木 雄一郎

参議院の議席を6増やす法案の採決が、野党が反対する中、強行された。

いくら多数決がルールとはいえ、やっていいことと、いけないことがある。

国民の代表を選ぶ選挙制度の根幹にかかわる話なのに、参議院で約6時間、衆議院では、わずか3時間しか審議されていない。

そもそも、2015年の公職選挙法改正の際、「抜本改革」を行うと法律で決めていたのに、それを完全に無視した内容だ。

「合区」(徳島と高知、島根と鳥取)によって出馬できなくなる自民党の現職を救済するために「特定枠」を設ける内容で、あまりにもひどいお手盛り法案。

まさに、「自民党の自民党による自民党のための」法案である。

しかも、国会を延長してまで、さらに、豪雨災害への対応が優先すべき時に、駆け込みで法案を成立させる強引な国会運営。

こんなことが認められるなら、何でもありの国になってしまう。

また、こうした身勝手がまかり通る参議院ならいらない、ということになってしまう。

参議院の自殺行為だ。

さすがに自民党内からも、おかしいとの声があがっている。

事実、私のところに、ある自民党のOBの方から、今の自民党はおかしいと電話がかかってきた。

OBだけではない。

船田元衆議院議員も、国民の納得が得られないとして、採決を棄権する旨を表明し、党の代議士会長を辞任届を出した。

そもそも、今回の6増案は、安倍総理が代表選挙で参議院側の支持を取り付けるためのものとも言われている。

権力行使のあり方が、どんどん歪められていく。

どうせ時間が経てば、国民は忘れるだろうと思っているのだろう。

来年の参議院選挙で、結果を出すしかない。


編集部より:この記事は、国民民主党共同代表、衆議院議員・玉木雄一郎氏(香川2区)の公式ブログ 2018年7月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください。