本日の日本経済新聞朝刊が、三菱UFJ信託銀行が来年から、個人からデータを預かり、企業に提供する「個人データ銀行」を始めると報じています。
個人データがどこまでの範囲を指すか明確ではありませんが、企業にとって個人情報はとても価値のあるデータです。
例えば、ブランド品を販売する会社であれば、高年収や資産規模の大きな人の購入履歴のデータは極めて魅力的です。
また、ヘルスケア関連の会社であれば、健康状態のデータが得られればマーケティングに活用できます。もし、血圧が高い人たちがいれば、それに対応する商品を提案するといったビジネスが可能になるからです。
個人が、このような自分の個人情報を自分で管理するのが当たり前になれば、データを活用する企業は、それに対する対価を払う必要が出てきます。
そして、企業側からデータが欲しいと思われるような価値の高い個人情報を保有している人は、自らのデータを高値で販売することで収益を上げるようになると予想します。企業にとって顧客として魅力的な人たちとは、コストを払ってでもデータを取得したくなるような顧客にしたい人たちです。
今は、企業側が個人から簡単な許可を取って、データを自由に使える環境になっています。今後、「情報銀行」のような存在が当たり前になり、データ利用に課金出来るようになれば、個人と企業の関係が逆転する可能性があります。
体重、身長をはじめとする健康情報から、収入や資産といった金融情報、さらに人間関係や日々のライフスタイルまで、自分の個人情報がすべてお金に換えられる。つまり、マネタイズできる可能性があるということです。
好きなブランドや会社など、自分が個人情報を提供しても良いという企業だけに、情報提供してそこから収益を得る。これまでは「情報が金になる」のは企業だったのですが、これからは個人がそれに取って代わっていく。
三菱UFJ信託銀行の取り組みは、個人情報管理の主体が変わることを示唆する、エポックメーキングなニュースだと思いました。
※もうすぐ土用の丑の日です。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年7月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。