カンボジア総選挙の結果を受けて

カンボジア総選挙の開票作業の様子、日本政府は投票箱の提供等の支援を行なった(NHKニュースより:編集部)

去る7月29日に行われたカンボジア王国下院選挙は、選挙前にフン・セン政権が最大野党の党首を突然逮捕、同党を解党し、政権に異を唱えるメディアを多数廃刊や廃業に追い込むなど、言論弾圧、集会の禁止までされた状況下で行われ、フン・セン首相が率いるカンボジア人民党が圧勝しました。

フン・セン政権の横暴に対し、国際社会は重大な懸念を表明し、各国が選挙支援を取りやめる中にもかかわらず、日本政府は8億円の税金でこの民主化に逆行する選挙に対して選挙支援を行ってきました。

これは、国際的にも我が国がこの選挙を公正で自由な民主的選挙と認めているというメッセージを発することになりかねず、国民民主党は、通常国会の中で、源馬謙太郎衆議院議員をはじめ、衆参の外務委員会などで度々このカンボジアの状況を取り上げ、このような状況が続くのであれば支援を見直すべきだと大臣に要請してきました。しかしながら政府は選挙支援を断行し、さらには、選挙中の選挙監視団の派遣まで検討してきました。

総選挙直前の7月25日、政府は選挙監視団の派遣中止を発表しましたが、当然とは言え、対応が遅くなったことは否めません。我々の要請が聞き入れられたこと自体は評価しますが、国際社会が重大な懸念を表明している中、政府はいまだにカンボジアの現状になんらの意思も表明していません。このこと自体が、国際社会から、我が国の民主化への価値観に疑義がもたれかねないと懸念します。

我が党は、これからも民主的な価値観に基づく、価値外交を重要視し、様々な外交努力を重ねていきます。また、政府に対しては、今後ともカンボジアの民主的発展を適切に支援するとともに、民主化に逆行する現状については容認しないよう求めます。


編集部より:この記事は、国民民主党共同代表、衆議院議員・玉木雄一郎氏(香川2区)の公式ブログ 2018年8月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください。