いわゆる「人生の危機」を誰もが経験したことがあると思います。かく言う私も、仕事でもプライベートでも2度と経験したくないような、辛い場面に何度も直面してきました。
後から考えれば、笑い話のようなものもありますが、中には今でも思い出すと胸が締め付けられるようなこともあります。
これからもそんな経験をする可能性はゼロではありません。だから、数年前から、そんな心が折れそうな状況と向き合った時に、そのショックを少しでも和らげるための心の準備方法を考えています。
まず、今までなんとかなってきたと「楽観」できるようにすることです。今まで死を意識するような壮絶な経験もありましたが、結局今も毎日生きています。絶望の中にどっぷり浸かっている時には真っ暗でも、そこから時間を経て何とか問題は解決できた。そんな経験を思い出し、心の支えにするのです。
そして、2つ目は、試練の中で自分は試されているという考え方の「転換」です。後から振り返った時に、自分の行動に悔いのないようにベストを尽くす。危機を恐れ、悲しみ避けようとするのではなく、試練に立ち向かい、集中する自分を客観視する。それによって、逆に恐怖感や苦しみを忘れることができます。
さらに、試練こそ人間を成長させるという「達観」も大切です。苦難に遭遇したら、嘆き悲しむだけではなく、その経験は自分を成長させるチャンスだと思いこむ。簡単ではありませんが、そこまで心の持ち方が変えられれば、見え方は随分変わってきます。
心が折れそうになる試練は、自分ではコントロールできず、ある日突然やってきます。人生の頂点だと思っていた時に、いきなり崖の底に突き落とされるようなことは珍しくありません。
人間関係のもつれ、病気、事故、事件、裏切り・・・人生には上り坂、下り坂、まさかという3つの「さか」があると良く言われます。自分なりの折れそうな心の立て直し方は、いつでも使えるように心の中に準備しておいた方が良い。半世紀以上を生きて、そう実感します。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年8月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。