これはどうやら小沢氏の選挙になりそうである。
昨日、玉城氏が正式に沖縄県知事選挙への出馬を表明した。
ご本人は自分の名前が出た段階で腹を固めていたようだが、小沢氏がちょっと手綱を引き締めて逸る玉城氏を今日まで引き留めていたような印象がある。
小沢氏の了解がなければ玉城氏も出馬宣言できなかったのだろうから、今回の玉城選挙は即、小沢選挙ということになる。
玉城氏が勝てば、小沢氏が勝ったことになる。
共産党が全面的に今回の選挙を仕切りたかったところだろうが、小沢氏が表に出てきたことによって共産党もちょっと引っ込まなければならなくなた、ということになろうか。
小沢氏がべったりと玉城選対に張り付くのかどうかが注目されるところである。
そこまでやれば、共産党も社民党も立憲民主党も小沢氏に頭が上がらないことになる。
国民民主党の立ち位置は、ちょっと微妙だ。
玉城選対に入っても国民民主党には大してメリットがなさそうに見える。
何にしても、今回の沖縄県知事選挙は自公維と小沢氏の戦いになる可能性が高い。
小沢氏に現在どれだけの神通力があるか、を試す選挙になるのだろう。
弔い選挙ではなく、新しい沖縄を作る選挙、と意識された方がよさそうだ
自民党の総裁選は、現状維持を求める主流派と石破さんをはじめとする自民党を少しでも良くしたいと願っている人たちとの戦いで、国民民主党の代表選はどうしようもないほど落ち込んでしまっている国民民主党はどうやって立て直していくかを懸命に模索している人同士の戦いで、どちらかと言えば見どころのあるのはゼロからのスタートを明確に意識している国民民主党の代表選の方だろう、などと思っている。
壁際の戦いと言うか断崖絶壁の上での戦いだから、国民民主党が上手く行くかどうかは今回の代表選で決まる。
上手く行かなければ、二人とも断崖絶壁から落ちてしまう、と思っておかれた方がいいだろう。
自民党の総裁選は、多分現状維持を求める主流派の思惑通りになってしまう。
石破さんは面白くないだろうが、これが今の自民党の大勢だと思っておかれるといい。
さて、沖縄県知事選挙は、どうか。
翁長さんの弔い選挙だ、などと囃し立てられる向きがあるが、私にはどうもそのようには受け止められない。
この度の結縄県知事選挙は、新しい沖縄を作るための選挙だ、ともっと前向きな発想で臨まれた方がいい。
前知事の翁長さんの沖縄を想う思いの深さはそれなりに理解しているが、しかし沖縄が大きな曲がり角に差し掛かっていて、何とかしなければならないとう状況にあったことは確かだ。
翁長さんには、そういう大きな曲がり角に差し掛かっていた沖縄を自分の力で前に進めるだけの力は残っていなかったように思う。
沖縄は、これからどういう道を歩むべきか、ということが問われているように思う。
玉城氏にその答えが出せるか。
それとも自公維が担ぎ出す候補者の方に答えを出せる力があるか。
その選択を沖縄県民の方々はしなければならない。
この度の沖縄県知事選挙は決して弔い選挙ではない、というのが私の率直な感想である。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年8月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。