ブロックチェーンで何が変わるか、何を変えるか?

「ブロックチェーン2.0ミートアップ」に参加しコーディネーターを務める機会がありました。MtGox事件が生じた際に仮想通貨のルールをつくり、あくまで仮想通貨はブロックチェーンテクノロジーの金融分野に過ぎないという思いから、ブロックチェーン施策を推進してきた僕にとっては、多く人が関わるようになった現実を嬉しく思っているのです。

僕が参加したパートの1つは人物評価というか、人の価値を他方面から判断するためのデータベースをブロックチェーンで構築できないか、というものでした。

人の価値は、1側面だけで判断できるものではありません。組織内で1人の上司が、1人の部下を評価する。人間の社会生活は1つの企業だけではなく、PTA活動、地域活動、ボランティア活動、あるいは副業等、様々な側面を有しているのです。俗に言う、プロフィール(生まれ、学歴、職歴、資格)という表面上の人物像だけでなく、実際の行動に伴った評価を整理し、人に自分がどういう人間か伝えられるようにしていく必要があると思います。

初対面の人に私という存在が誰なのかを説明するには、マイナンバーカードがあります。どんな人間なのかを伝えるためのコンテンツは存在していません。親が有名人ではない。家柄が良くない。家が貧乏であった。学歴も良くない。それでも、努力を積み上げて何かを成し遂げようと思いたった際にチャンスを得るためには、どういう人間か伝えるものがないと、チャンスをつかみ取れないという事態になりかねません。

人物の置かれている周りの環境を想像して、人を評価しているのではないか。あの方の息子さんなら安心、学歴がしっかりしているから安心、大企業に勤めているから安心。これらは、外部環境からの類推による人物評価であって、その人、そのものの評価とは言えないと思うのです。

スタートが公平であれば、努力により格差が生じるのはあたりまえだと思う。しかし、本人の実在として価値ではなく、外部環境からの想像による評価が中心になれば、機会の公平は生じず、不公平な競争と格差社会を助長するだけではないだろうか。その意味で、人物の評価が多角的になっていること、そのデータベースが構築されることは必要と思う。それをパブリックブロックチェーンで構築するのか、プライベートチェーンで構築するのか、方法論はいくつか存在すると思います。さあ、新しチャレンジをしてみよう。


編集部より:この記事は元内閣府副大臣、前衆議院議員、福田峰之氏のブログ 2018年9月13日の記事を転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、福田峰之オフィシャルブログ「政治の時間」をご覧ください。