アゴラに「役に立つ公務員、役に立たない公務員」(18年07月23日)という記事がありました。公務員である筆者は当該記事で、その線引きにつき下記のように述べています。
自分が担当することに責任を持たない(無責任・他人事)のは論外ですが、惜しいのが自分の担当にしか責任を持たない人。自分が担当することは一生懸命に取り組みますが、それ以外のことは無関心だったり、住民等から質問されても「あっさり分かりません」と返してしまいます。(中略)担当外のことでも詳しい人に相談し、一緒に考えることの積み重ねでさまざまな人脈や知識が培われてきます。もう一歩踏み込むことが、「役に立つ公務員」と「役に立たない公務員」の違いのような気がします。
先月24日発表された、第4回「大学1、2年生が就職したいと思う企業・業種ランキング」調査に拠ると、過去3回の調査において、いずれも公務員がTOP2を占めていた中で、今回初めて民間企業が2位に割り込む結果となったものの、「国家公務員」が3位、「地方公務員」は4年連続で1位となりました。
また、大学3年生が「就職したい企業・業種ランキング」を見ても、「地方公務員」が過去4回の調査全てで1位、「国家公務員」は直近3年続けて2位ということで、公務員は就職先として大学生に極めて人気が高いようです。そして、その理由には「安定」の類を挙げる向きが顕著ですが、そもそも公務員とは、公僕であるという気持ちがベースになければならないと思います。
国家公務員であれば、国家権力を持つようなことにもなるかもしれません。そうした地位や権力を得た場合は当然の如く、国家国民を第一に考えるという基本認識を持ち公に仕えられる人が、役に立つと言えるのではないでしょうか。あるいは、地方公務員であれば、地域住民の為どれだけ知恵を絞り汗をかけるかが、役に立つか否かの一つの決め手になるのではと思います。
何れにしろ、夫々の職場で公僕であるという基本認識の下、自分に与えられた仕事は此の社会の中で一体どういう意義があるのか、を本当に理解しようと全身全霊を傾けて考え、そして、その意義を具現化する為に、あたかも流水の淀みなく流れるように、当面している仕事を次々と処理していく人が、有能な公務員ということになるのではないでしょうか。
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