豊洲市場がオープン!小池知事&都民ファはどう「築地は守る」?

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

いよいよ本日10月11日、豊洲市場が開場いたしました。

前期から豊洲市場特別委員会、百条委員会を歴任してきた身として、この日を何はともあれ迎えられたことは本当に感慨深いものがあります。

居ても立ってもいられず、私も朝6時過ぎに豊洲市場を外から眺めに行きました。

特に水産仲卸が位置する六街区は、路上駐車が多く慢性的な渋滞気味で、オペレーションが確立するまで時間を要しそうです…。

とはいえ関係者によると、神田市場から大田市場に大引っ越しが行われた際も、

「最初の1週間は大混乱。でも、案外すぐに慣れたものだった」

とのことで、交通ルールなど是正すべきを是正しながら築地スピリットを継承し、世界一の中央卸売市場へと成長して欲しいと願ってやみません。

もちろん、行政対応が必要となる市場の不具合については、議員の立場からしっかり調査し、必要に応じて政策提言を行っていきたいと思います。

また、市場というとどうしても水産ばかりが注目されがちですが、豊洲市場の5街区には青果部があります

青果部はずいぶん前から入念に移転準備を行い、今朝も外から見る限りはかなりスムーズに作業がなされていたようでした。

こうした青果の様子についてもぜひ、中に入ったメディアに報じてもらいたいなと期待するものです。

そして午後は、久しぶりにCBC(TBS系)「ゴゴスマ」からお声がけいただき、豊洲市場スペシャルということで舛添前知事・伊藤ゆう都議(都民ファ)とともに出演。

都民ファの伊藤ゆう都議と熱く拳を交えんばかりに議論をするつもりだったのですが、「舛添問題」の振り返りが中心となったためあまり時間がなく…。

ただ、いくつかのポイントがありましたので、まとめておきたいと思います。

結局のところ、今日の時点まで具体的な「築地再開発」のプランが都から示されることはなく、今年度中(3月末まで)ということで先送りされています。

「築地に戻る支援をする」と小池知事が宣言しているにもかかわらず、宙ぶらりんな状態なまま築地市場が解体工事に入るのですから、反発や座り込みが起きるのも仕方のないことです。

築地市場内に移転反対派が押し掛け 強行営業の動きも

こうした中で、伊藤都議に対して「本当に築地に戻る支援をするのか?都議選前に公約した基本方針を守るのか?」とオンエアで聞いたところ、「築地に戻りたいという要望もある、そうした声を計画に盛り込めるよう要望していく」旨の回答がありました。

また、「民間売却すると、高値をつけたところに売らざる得なくなる」など、築地市場跡地の民間売却ついては重ねて否定的な見解を示されておりました。

つまり、

築地跡地は保有したまま豊洲市場の建設費・運営費をヘッジし、将来的には仲卸など事業者が戻れるような計画をつくる。

まとめると現時点でもこういうことになりますが、しかしこれ、本当に可能なのでしょうか?

仲卸を仲卸として築地に戻すためには、セリなどの市場機能を作らねばなりません。一方、すでに小池知事は「築地に市場機能は残さない」と発言していますから、すでにこの方針と矛盾が生じています。

また都議会に目を向ければ、現在もっとも都政運営に力を持っている都議会公明党が、速やかに有償所管換え(≒将来的な民間売却)を行うことを強く主張しています。

小池知事&都民ファーストの会は、公明党のこの強い意向を押し切って、築地を所有したまま再開発に突き進むことができるのでしょうか?

いま現在、公明党に主導権を握られている都政・都議会で、そのようなことができるとは到底思えません。

そして何より、築地跡地の賃料で継続的に年間160億円以上の財源を生み出すことができるのかどうかも極めて不透明です。

都議選前に示した基本方針は実現困難だったことをはっきりと認め、現実的な議論に目を向けるべきはないかと、私には思えてなりません。

いずれにせよ、基本方針について「先延ばし」ができるのは、最長でも具体的なプランが発表される3月末までとなります。

豊洲市場の運営を最適化しながら、築地跡地については必要に応じて基本方針を修正した上で、早急に建設的な計画が提示されることを望むものです。

私自身も今日の日までに起きた出来事について改めて自省し、責任を全うすべく努力していきたいと思います。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年10月11日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。