田原氏と私の政権交代論争と橋下構想

田原総一朗さんの、BS朝日「激論!クロスファイア」に10月21日(日)、出演した。 「豪華論客が大激突!1強安倍政権はこれからどうなる?」というタイトルで、平沢勝栄(自民党衆議院議員)、長妻昭(立憲民主党代表代行)、八幡和郎(徳島文理大学教授)、小林よしのり(漫画家)と番組HPにはあった。

激論!クロスファイア公式ツイッターより:編集部

そこで私が主張したことを少し紹介しておく。

内閣改造については、「期待する」というのが8%しかなかったということから、こんな不人気な内閣はないという意見が大勢だったが、私は、

「『安倍1強』といわれ、お気に入りの人材だけが大臣ポストを占め、党内に不満が高まっていることが石破氏が予想よりは善戦した原因でもあるから、待機組のなかで真っ当な人を適材適所とまでは言わないまでも、大過なくこなせそうなポストで起用したのはやむをえない」

「参議院選挙の前には、少し内閣改造をして、人気がある政治家を入れたら良いのではないか」
といった。

麻生財務相の留任については、これも、田原氏がとくに仰っていたが、私は「新人を多く入れたので中枢部分は安定感のある人を動かせなかったのではないか。とくに、管官房長官や二階幹事長をそのままにして麻生さんだけを変えるのは難しかったのではないか」といった。

ただし、私はひとつだけ、別の考え方があったように思う。副総理はそのままにして、今上陛下の退位と新陛下担当の特命大臣というのはどうかと思った。代替わりというのは、総理や官房長官にとっても厳しい仕事になるから、ここは麻生さんに担当しておまかせするというのはひとつの方法だったように思う。

皇室問題について、もしかすると、女系論の小林よしのり氏と激突かと思ったが、話題にならず少し残念。自民党の現状については、田原氏が中選挙区時代のほうがよかったような印象を述べられ、みんなそう思っているが、中選挙区はかねがかかるのが問題と、石破氏や谷垣氏もいっていたと本音を暴露。自民党のなかで総理を倒すパワーがなく自浄作用が働かないとおっしゃる。

しかし、これには私は反対だ。「世界各国まっとうな首相や大統領は8年から10年が標準。2年くらいで首相がかわったことは、日本の国力をおおいに損ねていた。それは中選挙区と派閥政治のせいだ」と主張した。

与党内で政策議論は要らないのかと田原氏は仰っていたのに対しては「政権交代は野党がチャレンジして倒すもの。それができてないのは、立憲民主党が民主党政権より左にシフトして、憲法改正阻止を主目的にする旧社会党と同じになっているからだ。政権交代をめざすには民主党政権時代より右にシフトして現実主義的になる必要あり」と反論した。

これについては、小林氏はもっとはっきり対立軸を立てた方が良いという意見だった。

ところで、文藝春秋最新号に、「橋下徹 安倍首相への忠言」という原稿を寄稿している。そのなかで、橋下氏は「強い野党」を作ることを訴え、来年の参院選に出馬するのではという見方を鈴木哲夫氏は書いたりしてる。そのなかで橋下氏も選挙に負けてもいないのに与党で総裁選挙をやっているのがそもそもおかしいといっている。この点は私と同じ意見らしい。

また、野党のことはぼろくそなんで、野党から選挙に出るというのは、余り論理的でないように思える。もっとも、超タカ派の小池百合子氏に民進党が合流しようとしたくらいだから何があるか分からないが。

『反安倍』という病 - 拝啓、アベノセイダーズの皆様 -
八幡 和郎
ワニブックス
2018-09-07