参院選の争点は何かしら?

来年の参議院選挙の争点は、憲法改正になるんじゃないかな

首相官邸サイトより:編集部

立憲民主党も国民民主党もそれぞれにご自分たちの憲法改正案を打ち出した方がいいように思う。
憲法改正に反対!という声を上げているだけでは、国政で主導権を握ることはまず永久に不可能と言っていいだろう。

立憲主義を標榜している立憲民主党の憲法改正案を見てみたいものである。

立憲民主党が憲法改正案を示せば、自民党は対抗して本来の自民党憲法改正草案をぶつけてくるのではないか。

安倍総理が言っておられる憲法改正案なり憲法改正四項目は、どうも本音を隠した目眩ましの暫定的憲法改正案のようで、私から言わせるとどうにも胡散臭い。
衣の下から鎧が見える、と警戒する人が多いのは、やはり仕方がないことだろう。

自民党の中での慎重かつ周到な討議を経て確定した憲法改正案であれば、それなりに民意を反映した憲法改正案だろうから賛同するかどうかはともかくとしてとにかくそれなりに尊重しなければならないことは当然だ。
しかし、安倍総理が持ち出した憲法改正四項目は、自民党内での熟議を経ていないトップダウンの、私から言わせればやっつけ仕事の憲法改正案。

ちょっと軽すぎる。

まあ、今回の憲法改正が上手く行ったら、次は本格的な憲法改正案を出そう、という目論見に基づいての極めて政治的なお試し憲法改正案なんだろうが、本格的な憲法改正論議を期待していた私からすると、なんだか憲法の存在そのものを軽んじているように思われ、スッキリしない。

自民党所属の国会議員の多くは、内心不満がありながら、不承不承安倍総理の改憲案に従いていくのだろうが、私の性には合わない。
こういう中途半端なことは止めた方がいいのだがなあ、というのが私の率直な感想である。

多分、自民党はこういう中途半端な改憲案を引っ提げて来年の参議院選挙に臨むつもりだろう。

立憲民主党も国民民主党も、憲法改正問題については、もっとしっかりした立ち位置に立つべきではないだろうか。
反対、反対は、共産党や社民党にお任せして、本格的な憲法改正論議をリードできるような立ち位置を早急に確保された方がいいのだがな、というのが、外野席からの感想である。

さて、皆さん、どうされるのかな。

さて、消費税増税が来年の参議院選挙の最大の争点になるのかしら?

まあ、色々なお立場の方がおられるので、それぞれに来年の参議院選挙の争点を想定して今から準備を始められていいと思うが、消費税増税問題は与野党共に既定路線で、せいぜい争点になるのは軽減税率導入問題じゃないのかな、というのが私の現時点での感想である。

どんな税金でも増税は嫌だ、というのが大方の国民の率直な思いだろうが、相続税と消費税の増税はいずれにしても不可避だろう。

法人税を引き上げると企業が海外に本社を移転してしまって、結局は法人税収入が減ってしまう虞があるから、本音は引き上げたくても引き上げることは難しい。
多分、いずれは所得の格差是正が大きな問題として浮上してくると思われるが、所得税の累進課税方式の見直しを提起すると富裕層が日本国内から逃げ出してしまう虞が強いから、財務当局としてはそう簡単には持ち出せないはずだ。

結局は、手を付けやすいところからやるしかない、ということで、贈与税と消費税がターゲットになるだろう、というのが私の見立てである。

リーマンショック級の不況が直撃したら消費税増税の3度目の延期もあり得ると、菅官房長官が示唆しているようだから、万一そういう事態になったら、消費税増税問題は来年の参議院選挙の争点にはならなくなる。

野党の皆さんが消費税増税問題が来年の参議院選挙の争点だ、などと思っていたら、多分当てが外れる。

まあ、私の見立て通りになるかならないか分からないが、立憲民主党も国民民主党も、あらゆる事態に備えて今の内からそれなりに準備されてみては如何か。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年10月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。