“タウリン1000mgは1g”数字のトリックとはなにか

画像は筆者撮影による

昨年くらいから、AI(人工知能)が話題になっている。AI の発展で人間がやる必要のない作業を中心に、少しずつ代替が進んでくることが予想されている。しかし、本質的な人間の関わりの部分が無くなることは考えにくい。

10月15日に、筆者として11冊目の書籍『即効!成果が上がる文章の技術』(明日香出版社)を上梓した。なお、出版に併せて、数ヶ月前から「個人のtwitter」でQ&A形式のツイートを重ねてきた。1日に4~5本の投稿をしていたので既にかなりの数になるが、シェア、RTの数など反響の大きかったものを5つ紹介したい。

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(1)数字のトリック(タウリン編)
・タウリン1000ミリグラム
・タウリン1グラム
・牡蠣3個分のタウリン含有
・牛肉3キロ分のタウリン含有
栄養ドリンクの表示で1000ミリグラムが使用される理由がよくわかります。

(2)数字のトリック(ご愛用者編)
・ご愛用者、100万人突破
・ご愛用者、和歌山県の人口を突破
・ご愛用者、仙台市の人口を突破
このケースでは、「100万人突破」が最も大きい数のように感じます。

(3)数字のトリック(敷地面積編)
・敷地面積は東京ドーム1個分の大きさ
・敷地面積は観光バス1570両分
・敷地面積は3万2472畳
プロ野球中継で大きさがイメージできることもあり、「東京ドーム1個分」が大きい数のように感じます。○○さんの畑は、「東京ドーム10個分」の面積がありますなど。

(4)数字のトリック(食物繊維編)
・2.5g相当の食物繊維
・レタス10個分の食物繊維
・スイカ8個分の食物繊維
・絹ごし豆腐8丁分の食物繊維
もっとも使用されるのが「レタス10個分」。ところが、2.5gなんですよね。

(5)数字のトリック(山手線編)
・パリのペリフェリック(環状都市高速道路)の内側
・ニューヨークのマンハッタン島
・東京ドームの約1360個分
山手線は、数字のトリックに使われます。山手線内側の面積は、上記とほぼ同じです。かなり印象が異なると思いませんか。
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コンパクトにまとめていることから、読みやすいのかも知れない。慣用句とは、習慣として長い間広く使われてきた言葉や言い回しになるが、誤用とされながらも既に一般化されているものが少なくない。一般化されているものは誤用とは言えないはずだが、この辺りは専門家でも見解がわかれている。

次回はその辺りの解釈の違いなどについてもケースを紹介したい。なお、拙著『即効!成果が上がる文章の技術』(明日香出版社)は出版後1週間で重版が確定した。この場をかりて皆さまに御礼申し上げたい。

尾藤克之
コラムニスト