独法化にコンセッション方式。民営化≒悪と思わないことが重要

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

昨日も決算特別委員会の質疑が続き、下水道局を対象に質問を行いました。私からは下水道局外郭団体の障害者雇用率改善と、おなじみのコンセッション方式について提言。

過去記事:
運営権収入で25億円!浜松市の下水道コンセッション方式、東京都でも実現の余地ありか

特別顧問らがいた時代の都政改革本部が「置き土産」として残していた下水道コンセッション方式ですが、明確に賛意を示している議員は私たちと維新のみ(合計3名 / 127議席)

昨日取り上げた都立病院の独立行政法人化以上に、今後の見通しが残念ながら極めて不透明になっている政策分野です。

そしていつも質疑の順番的に、私は共産党の議員さんの後に質問に立つことになりまして、こうした「公的部門を民営化することの是非」については、面白いくらい完全に立場が真逆なのでなかなかおもしろい質疑が連続して聞けることになります。

議会では残念ながら「議員間の直接討議」ということが通常はできないので、お互いの質問を聞きながら「反論したい…!」と思っているわけですが、共産党に限らず「民営化」には漠然とした不安を抱いている人が多いことは事実です。

最近では水道の民営化が議論の的になることが多く、フランスなどで民営化した水道事業の「再公営化」が行われていることで、「やっぱり民営化=悪なのだ!」という論調も強く聞かれます。

ただ上記記事にもあるように、一方で英国のように水道事業の民営化がそれなりに成果を挙げているケースもあります。

当然のことですが、民営化=悪・失敗につながるということではなく、要はやり方・制度設計次第なのだというのが私のシンプルな結論です。

浜松市の下水道コンセッションも、行政の監視機能を残す・恣意的な値上げができないようにするなど、英国式のやり方が踏襲されているように思います。

児童相談所のような完全なる福祉機能は、どうやっても利益が出ないので民営化は不可能(せいぜい指定管理)なわけですが、水道・下水道あるいは病院のような事業は利益を出す余地があるわけですから、できる限り民間に任せる方法や制度を模索すべきです。

独立行政法人化も厳密には「民営化」ではありませんが、広義の意味では公設公営からの脱却として、この文脈で議論されるべきことの一つでしょう。

世の中に完璧な仕組みはありませんから、民営化が失敗した例もあるでしょう。そうした事例を一つ一つ検証して学びながら、東京都にもっともふさわしい「民営化」のスタイルを研究し、議会から政策提言をしていきたいと思います。

簡潔ながら、本日はこんなところで。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、あたらしい党代表、東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出)のブログ2018年10月26日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。