先日、テレビ出演の際に、髪をコテでセットして頂き。きつい天パの私なのだが・・・。
90年代半ばにglobeがデビューした際の小室哲哉風になってしまった。平成の音楽シーンを振り返ると、小室哲哉の時代というものが確実にあり。その平成も終わるのだが。
そもそも、平成においては、男女混成のバンド、グループが増えたし、それを「歌手」と呼ぶのか、紅組、白組どちらに入れるのかという問題はあるが(女性が歌っているかどうかが鍵のようで、たとえば構成員の2/3が男性のいきものがかりも、紅組だ)。
このラインナップをみて、正直に地味だと思った人や、視聴率がとれるのかと不安になった人もいることだろう。例のBTSの出演問題はあるし、TOKIOの連続出演も途絶えた。最近、よく出ていた平井堅もいない。演歌は各組5名前後はいるが、特に白組においては「ベテラン演歌歌手」と呼べる人は、五木ひろしくらいだ。氷川きよしも今やベテランだが。今年、ライブ活動を復活した宇多田ヒカルや、引退した安室奈美恵、活動再開したサザン・オールスターズもいない。DAOKO、あいみょん、Suchmos、King & Princeなどの初出場、DA PUMPの16年ぶりの出演などは話題性があるのだが。
もっとも、今後、追加出演や、特別出演の発表もあるだろう。ただ、地味だとか、平成最後にふさわしい紅白なのかという批判はあることだろう。
実際、古市憲寿氏がバラエティ番組で批判している。
古市氏、紅白出場者「中途半端」 宇多田、SMAPら平成スター不在TVで嘆く(デイリースポーツ) – Yahoo!ニュース
ただ、あくまで一音楽ファンの感想ではあるが、むしろ私は平成最後の紅白にふさわしいラインナップだと思っている。いまの、日本の音楽シーン(なかでも、テレビやYouTubeでMVを観ることができる音楽シーン)を拾ったものになっているからだ。その中での最大公約数になろうとしているからだ。
さらに言うと、「攻めてる」姿勢さえ感じられる。手堅く視聴率をとれる豪華なベテランよりもお茶の間で「誰、これ?」と思うような新しい才能に光を当てている点に、攻めの姿勢を感じる。今後の受信料への理解を広めるために、若者を取り込もうという意図も。
というわけで、「平成」を総括するような、最後を飾るような豪華版紅白ではないけれど、平成最後の今を切り取ったという意味では秀逸なラインナップだと感じた。だいたい、平成という時代は、無理して背伸びした消費などをするよりも、等身大のそこにある幸せを楽しむ時代じゃなかったか。
それにしても、勝敗予測のし辛い紅白だ。当日を楽しみに待つことにしよう。
編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2018年11月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。