都市から田舎への移住政策は、人口の奪い合いではない。

井上 貴至

人口減少に悩む多くの自治体が、移住・定住政策に力を入れている。また、政府も、地域おこし協力隊やふるさとワーキングホリデー等により、都市から田舎への移住を後押しする。

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これらの政策について、結局は人口の奪い合い。それらに税金を使うのはおかしい!という批判も根強い。

しかし、移住はゼロサムゲームではない移住政策は、人口を増やすため、少子化を解決するために、最も有効な取り組みの一つだ

なぜなら、一生の間にひとりの女性が生む子供の数を示す「合計特殊出生率」は、全国一律で低いわけではないからだ。平成29年度、東京都の合計特殊出生率は前年度の1.24から0.03下がり1.21だったが、例えば、愛媛県は1.54だ。

愛媛県は東京都と比べて、
●地価も安く都心に住みやすいので職住接近が進んでいること
●周りに家族や親戚が多いこと
●保育園等子育て施策が充実していること等
から、子育てがはるかにしやすいのだろう。

九州の町村部は、これらのメリットに加えて、農業や水産業が近く食事に困らないこと、地域のつながりが強く地域で子育てを支えること等により、人口を維持するために必要な2.1を超えているところも珍しくない。

今の日本において、子育てが難しい東京から、しやすい田舎への移住を進めることは、地価が高く、また血縁・地縁が弱い東京で子育て環境をムリして整えるよりも、はるかに効果的な子育て政策といえるのではないか。

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<井上貴至 プロフィール>


編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2018年11月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。