週末に書いたこちらのブログには、大きな反響がありました。と思っていたら、昨日の日本経済新聞に「ダイナミックプライシング」による新幹線の実験が始まるという記事を見つけました(写真も同紙から)。
ベンチャー企業のメトロエンジンと協力して、2019年の2月から5月までの、東北新幹線の混雑予想を発表。数字ではなく、モニターに毎日1時間ずつ、やまびこの混雑状況を5段階に色分けして、一目でわかるように表示します。
例えば、週末は「非常に混雑」「混雑」の赤系色が目立つが、平日の日中は「比較的空いている」「空席あり」を示す青系色が増えています。このようなデータ提供によって、混んでいる時期を避けて利用する人が増え、需要が平準化することが期待できます。
それだけではなく、今後は混雑時の価格を上げ、空いているときの価格を下げる。このような価格のダイナミックな変更によって、混雑をさらに平準化する。それによって、利用者の満足度を高めると同時に、運営者の収益を向上させられるのです。価格によって需要と供給のバランスさせることが出来れば、限られた資源を効率的に配分することができます。
ホテルや航空券などでは、既に当たり前のように価格が変動しています。データを大量にインプットし短期間に分析処理することができれば、このような動きは鉄道だけではなく、飲食店にも広がる可能性があります。
例えば、需給から考えれば、通勤電車は、定期券で価格を割り引くのではなく、逆に割り増し料金を取るのが合理的です。
あるいは、クリスマスになると、フレンチやイタリアンの特別メニューで実質値上げをしたり、元旦になると明治神宮の近くの喫茶店が値上げしている。これらは人間の勘に頼ってやっているものです。データ処理によって、さらにきめ細かく価格変動行うことができるようになるのです。
もし、値段がリアルタイムでコロコロ変わる。そんなレストランができたら、きっと話題になると思います。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年12月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。