11月30日の夕方5時に日銀が公表した「当面の長期国債等の買入れの運営について」によると、12月の国債買入で10年超の超長期と呼ばれる国債の買入の回数が11月の5回から4回に削減された。
これは12月という年末であり、カレンダー上に無理があったためとかではなく、将来の需給を見据えた実質的な減額といえる。
来年度の国債発行では今年度の減額がなかった20年債を主体にカレンダーベースの発行額が削減されると予想されており、それもあって今回、超長期ゾーンの買入回数を削減することで月額の買入額も減少させてくるとみられる。
今回は買入額そのものが中長期ゾーンに比較して超長期債は大きくないこともあり、一回あたりのオファー金額のレンジの修正はなかった。レンジは10年超25年以下は1500~2500程度、25年超が100~1000程度となっている。
前回の10年超の国債買入は11月30日に行われ、10年超25年以下は1800億円、25年超は500億円となっていた。
11月の10年超25年以下は1800億円が月額では5回で9000億円、25年超が500億円が5回で2500億円となっていた。
これが12月は10年超25年以下は2000億円が4回でトータル8000億円、25年超は600億円が4回で2400億円あたりになると予想していたが、5日にオファーされた金額は10年超25年以下は2000億円であったが、25年超は500億円と前回と変わらずとなっていた。結局、この金額で4回の買入となれば、月額で10年超25年以下は1000億円減、25年超は500億円減となる。
結果として実質的な減額となるが、これは国債の先行きの需給に応じた措置といえる。すでに日銀の金融政策の操作対象は国債買入などの量から、金利に戻しており、このため国債買入の減額は日銀の金融政策の変更などを意味するものではない。
編集部より:この記事は、久保田博幸氏のブログ「牛さん熊さんブログ」2018年12月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。