万博で華やぐ大阪だからこそ、弱者のための政治を

太田 房江

昨日、来夏参議院選挙の大阪選挙区候補予定者として、公認発表がありました。

私にとってかけがえのない大阪のために、あらためて全力で働きたいと思います。

万博開催が決まった大阪。来年の参院選は激戦が予想される(写真AC:編集部)

5年前の参院選全国比例で国政に送り出していただきましたが、今でも大阪の街を歩くと、ありがたいことに「あ、知事さんや」とお声がけいただきます。

9月の台風21号で関空が冠水し、停電した大阪の住宅地を視察した際のこと。皆さん自分のことで大変な時なのに、泉佐野ではお昼時にお年寄りが「知事さん、腹減ったやろ?」とカセットコンロで調理したカレーライスをおすそ分けしてくださったのです。これぞ大阪の人情。つい涙腺が緩みかけてしまいました。

他にも、皆さんが地域で励ましあい、助け合っておられる場面をみて、逆に勇気付けられました。南海トラフ地震のような大きな災害があった際、人の絆、地域コミュニティーの強さがまずあることが、最大の備え。大阪は大都会であるものの、特に郊外では大きな力になるはずです。

一方で、その時に改めて「実態」を痛感したのが高齢化の進展です。平日の昼間にベッドタウンを歩くと、大阪市内へ電車で30分ほどの地域でも、お年寄りばかりという場所も実に多い。南海トラフで津波が起きた時、沿岸部の街であれば高台に一刻も早く逃げなければなりません。しかし、お年寄りばかりの地域では、それもままならないでしょう。

大阪万博が決まって、これから7年間、大阪のみんなが前を向けると活気付いているこの頃。外国人観光客で賑わう大阪市内、これから万博会場として開発が本格的になる夢洲にスポットライトが当たる一方で、6月の大阪北部地震と9月の台風21号が、都市部といえども大阪の特に郊外では、少子高齢化のリスクに直面している現実を浮き彫りにしました。

私は、「政治は弱者のためにある」がモットー。万博で華やぐこれからの大阪だからこそ、時代の先端を見据えるだけでなく、社会的に弱い立場にある人達に目を向け、一人でも多くの命を守る責任に向き合うことが大切だと思います。

大阪生まれの主人からは「なんでまだ政治家やるん?」「もう、ええちゃうん?」と、よく突っ込まれます(笑)。私自身、国会にいると、小泉進次郎先生のように若くて才能のある素晴らしい先生方に出会って、オーラだけで圧倒されることもあります。

しかし、今の私だからこそできること、やらなければならないことがあります。

そのひとつが、社会保障制度改革を手がけていく中で、介護の当事者として実に気づきが多かったことです。ここ数年、89歳の母親を介護してきましたが、先ごろ施設に入るまで、行政も民間も縦割りが強くあって、「お年寄りや家族と本当に向き合っているのかな」と疑問に思ったこともありました。

もう一つは、今、政治家に求められることが変わりつつあるように思います。先述した台風直後の視察の際、誰からともなく皆さんが力を合わせて、片付けや掃除、食事といったことで、地域の皆さんが助け合って災害を乗り切ろうとするシーンになんども遭遇しました。

地域ごとで細かいところで課題は異なっても、お互いを見知っている繋がりがあれば、うまく対応できる。価値観も多様化している。そんな時代は、政治や行政がひとつの結論を上から一方的に下すより、人々の伴走者として横に寄り添い、コミュニケーションをとり、地域の支え合う力を引き出し応援する、それこそがこれからの政治家に最も求められていることではないか。そして、そこにこれまでの私の政治行政経験を重ねることで、お年寄り、介護に悩むご家族、子育てや仕事に苦労されている女性の皆さんにとって、より親身になれる政策ができるはず、また、それが地域の豊かさや可能性を拓くことにもつながる、少子高齢化時代を支える大きな力になると確信しました。

大阪は、他の都市部よりも人と人との絆が色濃く残っています。介護も子育ても災害対応も地域が一体となった対応を進めやすいはずです。

2025年の大阪万博招致成功をはじめ、インフラ整備など、大阪の新たな成長のために働く、いわば「平成の次の大阪をつくる」ことは当然のこととして、「よりそう。あなたに、大阪に」。心をこめてがんばります。

33市9町1村にお住まいの880万の人々の思いとしっかり向き合っていきます。