藤巻健史氏は「予言者」かそれとも「狼少年」なのか?

藤巻健史さんの新刊「日銀破綻」を読みました。

モルガン銀行で伝説のトレーダーとして国債のディーリングで巨額の収益を生み出し、現在は参議院議員として、日本の金融・財政政策に警鐘を鳴らし続けている実務に精通した政治家です。マネックス証券で仕事をしていた時、イベントのゲストとして何回かお話いただいたことがあります。

藤巻さんの主張は一貫しています。日本の異次元金融緩和は財政赤字問題の先送りにすぎず、いずれそのツケを払う時がやってくるという考えです。だから、円資産を持たず、外貨資産にシフトすべしというアドバイスです。

私も藤巻さんの「予言」と同意見です。日本の財政赤字は、増税による歳入増でも、緊縮予算による歳出減でも解決できず、唯一の方法はインフレーションによる合法的な借金棒引きしか無いからです。

これは起こるか起こらないかの議論をする話ではありません。問題は、それが「いつ」「どの位の規模で起こるか」です。

例えてみれば、東京に大地震がいつ来るのかを当てるようなものだと思います。地震はいつどのくらいの規模で発生するかわかりません。しかし、防災グッズを揃えたり、避難訓練を行ったり、家具が転倒しないようにつっかえ棒を入れたり、それなりに対策を講じています。

であれば、インフレについても何らかの対策を打っておくべきです。ただ考えるだけでなく、自分の資産で実践しなければ、リスクは回避できません。歳入の20倍近い借金をしている日本。だから私は数年前から「国と同じポジション=収入を大きく超える借金」を作ることで、いつくるかわからないインフレーションに備えています。

藤巻さんの書籍のアマゾンレビューを見ると「狼少年」呼ばわりするアンチなファン(笑)がいるようですが、私は「狼少年」ではなく「予言者」だと思っています。

そんな藤巻さんに、2019年2月9日に開催する第9回世界の資産運用フェアにご登壇いただき、日本にこれから何が起こるかをわかりやすく説明してもらうことにしました。個人投資家は、どうしたら良いのか。それを直接聞くことができる、見逃せない機会になるはずです。

<参考図書>
「日銀破綻」 藤巻健史

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年12月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。