泣いても笑っても、2018年が幕を閉じようとしています。
今年は、あなたにとってどんな年でしたか?目標は達成できたでしょうか?少なくとも、一部のアメリカ人は望みを叶えられたようです。
オファーズ・ドットコムによれば、「2018年版:新年の抱負」の栄えあるトップは「ダイエット・運動」で41%を占めました。ところが2019年版をみると、同項目が引き続き1位ながら38%と小幅ながら低下していたのです。アメリカ人の肥満率は2016年に過去最高を更新していましたが、2018年の統計ではダイエットに成功したらしきアメリカ人のお蔭で、改善への期待が高まります。
しかしながら、労働市場がひっ迫し12月ベージュブックでは深刻な人手不足が指摘されているに関わらず、この項目が急上昇していたのは気掛かりです。。
何かと申しますと…ズバリ「貯蓄」です。
米11月個人消費支出・所得によれば、貯蓄率は約5年半ぶりの水準に落ち込んでいました。所得を上回るペースで消費したツケなのか、アメリカ人の間では貯蓄志向が強まっているもよう。ナスダックが弱気相場入りしS&P500もそれに続くなかで、逆資産効果が意識され始めた可能性をはらみます。また、米12月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値で示されたように、追加関税措置の影響で賃金の上昇一服を懸念し始めたとも言えそうです。
気になる「新年の抱負」、2018年と2019年は以下の通り。
50州別で「2019年版:新年の抱負を」みると、「ダイエット・運動」を挙げたのは19州で最多でした。そのうちウエスト・バージニア州で最も回答率が高く81%に及びます。次いでネブラスカ州(63%)、アラバマ州(61%)、ミズーリ州(58%)、ミシシッピ州(54%)が並びました。それもそのはずで、ウエスト・バージニア州の肥満率は全米1位の38.1%であり、ネブラスカ州は15位(32.8%)、アラバマ州は5位(36.3%)、ミズーリ州は17位の(32.5%)、ミシシッピ州は2位(37.3%)でした。そのほか「ダイエット・運動」を挙げた州は以下の通り。
「貯蓄」が新年の抱負ナンバーワンだったのは18州。1位はアーカンソー州(84%)、2位はメイン州(66%)、3位はサウスダコタ州(64%)、4位はカンザス州とルイジアナ州(53%)でした。
なお、州別の2017年家計所得で金融危機が発生する前である2007年の水準を回復していなかったのは15州です。
新年の抱負トップが「旅行」だったのは7州、「新たな友達作り」はカジノの街ラスベガスを有するネバダ州のみでした。地域性が現れていますね!
ちなみに、「恋愛」を挙げた新年の抱負1位に挙げた州はゼロ。アメリカ人はハッピーなパートナーシップに恵まれている方々が多いのか、あるいは日本のように恋人作りに関心のないタイプが増加中なのか…。2019年も、アメリカ人の社会生活動向に深く切り込んでいきますので、どうぞ宜しくお願い致します!
(カバー写真:Jernej Furman/Flickr)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2018年12月26日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。