謹賀新年:「ポスト安倍」へ、改革保守勢力結集を

長島 昭久

旧年中は大変お世話になりました。
皆さま、お健やかに新年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。

新年祝賀の儀に参列させていただきました。皇居前にて。

昨年は、私にとり試練の一年でした。5月の連休を挟んで希望の党が崩壊。改革保守勢力結集の試みは挫折してしまいました。そこで、私は、時計の針を旧民進党へ戻すかのごとき動きとは一線を画し、再び独立独歩の道を選択しました。

夏には「世界一子育てしやすい国」フィンランドを訪問し、かねてから関心を持っていた「ネウボラ」の視察を行いました。臨時国会では、当選同期の同志(で希望の党の結党メンバーでもある)笠浩史代議士と新会派「未来日本」を立ち上げ、それぞれ衆院の安全保障委員会と文部科学委員会において質疑の機会を確保。私も、久しぶりに、対北朝鮮国連制裁の徹底、韓国最高裁「徴用工」判決、新しい防衛計画の大綱をめぐり、建設的な提案を交えた質疑を行うことができました。(質疑内容にご関心のある方は、こちらからご覧ください。)

「ポスト安倍」時代に備えるために、必要な「覚悟」と「準備」

さて、明けて平成31年。己亥(つちのとい)は、古来「内なる充実を図り次なるステージの準備をする年回り」と伝えられてきました。私にとって、「内なる充実」とは、政治家を志した原点に立ち返って自己の錬成に励むこと。私の志の原点は、痩せても枯れても外交・安全保障です。米中新冷戦に突入した激動の国際情勢を生き抜く日本の戦略を積極的に発信していきたい。その上で「次なるステージ」に向け何を準備するか。日本政治にとって次のステージとは、「ポスト安倍」時代ということになるでしょう。私としては、来たるべき時に備えて、覚悟を固め、政策を磨き、同志を糾合する努力を重ねていく決意です。

「ポスト安倍」に向け、与野党横断的な政権の受け皿を準備しよう!

私は、「ポスト安倍」時代に向けて現実的な政権の受け皿を準備するという視点に立てば、「反安倍」を唯一のエネルギー源にするかのような今の左派系を中心とした野党共闘ではなく、自民党の若手改革派とも連携し得る改革保守勢力を与野党横断的につくり上げる必要があると考えます。それには、長期にわたった安倍政権の功罪を正しく総括する必要があります。

アベノミクスの功罪を総括し、世界の課題解決をリードできる日本へ!

ここで「正しく」と書いたのは、単なる反発や全面否定からは建設的な「ポスト安倍」の政権構想は出てこないと考えるからです。たとえば、アベノミクスも全否定するのではなく、デフレ脱却のための金融緩和は肯定的に捉えつつ、財政政策と成長戦略をアップグレードしていくべきです。すなわち、財政政策の重点投資対象を、旧来型の公共事業のバラマキから「子ども子育て、現役世代」へシフトさせる。

成長戦略も、自動運転や遠隔医療などの普及を加速させる次世代通信規格5G時代をにらみ、AI、ロボット、IoT、バイオテクノロジーなど「ソサエティ5.0」づくりで世界をリードできる分野を中心に研究開発への投資を大幅に拡大すべきです。それは、必然的に米中がしのぎを削る最先端技術分野における日本の存在感を高め、世界が直面する課題の解決に日本が力を発揮することを意味します。

対米依存から脱却し、日本独自の総合戦略を打ち立てよう!

第二に、外交・安全保障分野でも、米中新冷戦の様相が深まる中、いつまでも米国依存では、朝鮮半島情勢も対ロ外交も行き詰まりを打開することは難しいでしょう。そのためには、我が国独自の戦略が必要です。今はスローガンの次元にとどまっている「自由で開かれたインド太平洋構想」を、経済、軍事、先端技術、文化、環境エネルギーなど包括的な国際戦略にまでアップグレードしなければなりません。

第三に、戦後70年を超えてなお一文字も改正されていない現行憲法を根本的に見直し、少子高齢・人口減少社会という構造変化を的確に捉え、持続可能な「国のかたち」に転換するため、明治維新以来の抜本的な統治機構改革を断行すべきです。さしあたり、道州制の導入による地方分権の徹底、二院制の見直し、憲法裁判所創設による立憲主義の貫徹などを国会論議の俎上に載せたいと考えます。

30年ぶりの「御代替わり」、新しい時代にふさわしい新しい政治を!

いずれにせよ、今年は、統一地方選挙(4月)と参院選(7月)が重なる12年に一度の「選挙イヤー」です。6月にはG20サミットが大阪で開催されます。巷間伝えられるところによれば、安倍総理はこの機会に北方領土問題解決に道筋をつける決意を固めているとのこと。しかも、消費税率の引き上げの最終判断も5月の大型連休前に行わねばならず、その結果次第では、33年ぶりの「衆参ダブル選挙」を断行する可能性もあります。

このような中で、5月1日には、新天皇が即位されることになります。いわゆる「御代替わり」、いよいよ新しい時代の幕開けです。私は、これまでの国会慣習に囚われることなく、新しい時代にふさわしい新しい政治の在り方を示し、それを担う新しい政治勢力の結集に全力を注いでまいります。本年もどうぞよろしくお願いします。

衆議院議員 長島昭久


編集部より:この記事は、地域政党「未来日本」代表、衆議院議員の長島昭久氏(東京21区)のオフィシャルブログ 2019年1月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は長島昭久 WeBLOG『翔ぶが如く』をご覧ください。