誰かに認めて貰いたい病

田中 紀子

昨日の小室圭さんについて書いたブログ、アゴラさんに掲載されましたので、是非ご一読下さいね。

小室圭さんにはタフラブが必要

タフラブキャンペーンサイトより:編集部

さてここの所タフラブについて書いていますけど、つまるところ人間って、
・自分の足で立つ
・自分で自分を認める
・自分を愛し信じる
とまぁ、昔から言われてますけど、これに勝ることってないんですよね。

でも不思議なことに、人間って「自分で自分を認めてあげる」ってことがなかなか出来ないし、やろうともしない。
自分で自分を認めるよりも、誰かに認められたい!評価されたい!必要とされたい!
って、そればっか考えているんですよね。

ところが!これがまたピンチを経験した人って、その価値を見いだしてですね、ピンチによってこの自分を愛する方法を獲得したりするんですよね。

かくいうこの私がそうなんですけど、依存症のプログラムをやるまでの私は、自信はないし、自分のことが嫌いだし、早く死にたいなぁ…とそればかりを考えて生きてる人だったんですね。

ところが、依存症のプログラムをやって、自分がダメだ!と思ってきたことにこそ価値がある!と思えたわけですよ。
例えば、依存症家庭に育った事とか、その時の経験とかですね。

で、それだけじゃなくて、自分で自分を認めるってことが、いかに大切かを学んだわけですよ。

私というのはですね、勉強はあんまできなかったですし、今もできないですけど、頭の回転が早くて、瞬発力があんだなぁ~ってことに、段々気がついてきて、それを自分の特徴だ!良い事なんだ!って認めることで、実は、ちょっとずつ生きやすくなったんです。

でも、こういうことってなかなか言いにくいし、言うといかにも傲慢な感じがするし、なによりもそこに価値があるとか、自分で認められないんですよね。
「いや、誰でもこの位普通じゃないの?」ってね。
それが謙虚で、好ましい態度だ!と思ってる訳ですよ。

ところが!それが逆なんだって段々わかってきたんですよ。
んで、認めた。

とにかく私はこの世でアドリブほど好きなもんはなく、打合せほど嫌いなものはないです。
だからこそ、マスコミから問い合わせが急に来ても、前日の夕方に、国会に参考人招致される連絡が来ても、1ケ月後にバチカンに来い!と言われても対応してきた訳じゃないですか~。

それからとっさに毎日毎日、それこそいくつもの家族から相談が寄せられ、それらにその場その場で一番良いと思われる答えを出し、そして当事者に介入もして、なんとかしてきたわけですよね。

でも、私はそういう能力をず~~~~~~~~~~っと、「そんなの当たり前だよね?誰でもできるでしょ?」と思ってきたんですよ。
当時のスポンサーになんど「それは当り前じゃない、りこさんだけ。」と、しつっこく言われましたけど、でもピンとこなかったんです。

で、イライラしてたんですよね。
なんでもかんでも相談が寄せられたり、質問されたりすると、「なんで自分で考えないの?そん位すぐ分かるじゃん!」と腹が立ってたんです。
でも、段々分かってきた。
なるほど~、みんななんでもとっさに思いついたりしないんだな・・・ってね。

あととにかく行動が早い・・・
思いつく→いいじゃん!→もうやってる
みたいに、頭と行動が直結してんですね。
時には、いいとかなんとかより、「思いついたんでやってた」みたいな感じ。
こんなん孤独になりますよね、普通。
だってみんなついて来れないですもんね。

だから人と違う部分でその違いこそがすんばらしい自分の才能だ!
ってことが自分で認められないと、孤独なんですよ。
で、孤独な人ってのは、他者に対する承認欲求が強くなる訳じゃないですかぁ。
誰かに認められたり、褒められたりしないと安心できないんですね。
疲れちゃいますよね、自分も周りも。

だから「自分で自分の良さや特徴を認める!」ってめっちゃ大事なんですよ。
それで他人との軋轢はぐんと減りますから。

私もかなり「しょうがないな。だって私のスピードが異常だもんね。」
ってな感じで、自分の良さや得意技を認められるようになったから、その分イライラが少し減ったんですよね。

だからなんでタフラブが必要かと言えば、そういう人間関係の苦しみを自分でしっかり味あうことで、
「どうやったらこの苦しみから抜け出せるか?」と試行錯誤の恵みが貰えるからなんですよね。

苦痛ってのは、嫌なもんですけど、だからこそ光を求め、掴んだ喜びが味わえるんですよね。
誰かのタフラブのお陰で、誰かが幸せになれるんです。
「タフラブ」是非実践していきましょう。


編集部より:この記事は、公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表、田中紀子氏のブログ「in a family way」の2019年1月26日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「in a family way」をご覧ください。